約 552,580 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/281.html
そのじゅういち「勝ち負けよりも価値ある性質の立ち合い」 僕が武装神姫のオーナーだという事が学校で噂になった。 原因はもちろんあの女――モトカノをあの女呼ばわりもアレだけど――があること無い事吹聴してまわっている為だけど、それに伴って僕にとっては懐かしい事すら噂になっていた。 あんまり僕にとって愉快じゃない事なんで、明言は避けとくけど、まぁ、若気の――といっても今でも若輩なんだけど――至りってヤツで。 ついでと言っちゃついでなんだけど、僕に美人の彼女がいると言う噂までおまけに広まったもんだから、ここの所、どーにも学校が居心地よくない。 人の噂も七十五日とは言うけど、二ヵ月半もこんな噂に悩まされ続けるのかと考えると、自然と憂鬱になるというもの。 というか、年明けちゃうし。 更に更に、この噂のせいで、僕は今年一杯の部活動の禁止を顧問に言い渡された。 曰く、「精神修行であるこの場に、たかだか一学年の間とは言え他のものの集中を邪魔する原因を置いておくわけにいかん」とか。「お前の所為ではないのだが、スマンな」とも言ってくれはしたけど、僕の意思は無視ですか? でも、僕としてもそれはありがたい事でもなくもなく。 ……やっぱりどうしたって学校が居心地悪いわけだから、それこそ放課後はさっさと学校から逃げ出したい訳だから。 かと言って、毎日開き直って神姫バトルを繰り返すだけのゆとりがあるわけでも無いので、学校には秘密で短期バイトでも探そうかとも思いながら、それでも僕は1時間20分電車に揺られて、平日だって言うのにエルゴまで来ていたりする。 ……バカだなぁ、僕。 今日はせっかく学校が早く引けたのに、なんだかチョット時間無駄にしてる様な。 何で休日にしなかったのか。バカだなぁ、僕。 「とはいっても先立つものも無いしなぁ……」 「ですぅ~」 懐のさびしさに僕とティキは思わず同じタイミングでため息を吐く。 なんで金欠だってのにわざわざ1時間20分強の時間を費やしてるのか。つくづくバカだなぁ、僕。 そんなに自分のことをバカだバカだといってても凹むだけなんで、気を取り直して僕は店内へと入った。 どうでもいいけど、神姫もため息って吐くもんなんだな。……ホントにどうでもいいことだけど。 「「「いらっしゃいませ」」」 店長とは明らかに違う、女の人の声が三つ、同時に発せられる。 一つはこの店のシンボル、『ウサ大明神様』ことジェニーさん。他の二人の声は、聞いたことの無い声。 と言っても、僕はこの店に来るのがまだ二度目なので、バイトの人だとしても知らなくて当然なんだけど。 一人は接客をしている女の子。僕と同じか、一つ二つ上くらい。高校生なのは見ただけで丸わかり。だって、制服着てるし。 もう一人は神姫。TYPE 吼凛。なんだか商品モデルをやってる風。うん。このハウリン、接客している彼女の神姫みたいだ。一応、距離感でそれくらいはわかる。 でもこのハウリンがアノ有名な魔女っ子神姫だなんてその時の僕には知る良しも無く。後々に思えばすごくもったいない。……写真でも一緒に取れたら式部に自慢できたのに! 「こんにちは、ジェニーさん。店長さんいますか?」 レジで店番をしているジェニーさんに話しかける僕。この前来た時、思わず『ウサ大明神様』と呼んでしまったが、彼女はどうやらあまりそういう風に呼んでもらいたくないらしい。 「お久しぶりですね。今、二階に居ますよ」 ジェニーさんはまだ二回目の僕の事を覚えてくれていたらしい。……神姫なんだから当然と言ってしまえば当然だけど、うれしかったりする。 「二階……筐体コーナーですね。でも、あれ? なんか随分盛り上がってますねぇ?」 事実、二階からどよめきとも喚声ともつかない一種異様な音がもれ響いている。 「チョットしたハプニングと言うか、イベントと言うか……」 ジェニーさんは苦笑を浮かべながらなんとも歯切れの悪い事を言う。 「? とにかく行ってみるですよぉ♪」 ティキは好奇心が抑えきれないと言う風にウズウズしている。 僕としてもそこら辺はティキと同じ気持ちなので、ジェニーさんにお礼を言うと、二階へと向かった。 二階は異様な熱気に包まれていた。 3on3の、所謂チーム戦。それがただのチーム戦なら、こんなにも盛り上がりを見せる事は無い。 まず参加者が凄まじい。 セカンドリーグで名を馳せる『D-コマンダー』と言えば、知らないやつはそう居ない。かくいう僕も、実際そのバトルを見た事は無いが、チーム戦におけるファースト昇進の壁と言われる風評を知らないわけが無い。 片や相手チーム。オーナーブースに二人いる変則マッチだけど、神姫はそれでも三姫。このメンバーもすごい。 『隻眼の悪魔』・『神速の紅眼』・『紅き眼の狙撃手』・『紅の剣客』・『朝霧の紅眼』……などと幾つもの二つ名を持ちながら結局固体名そのままの名で呼ばれることの多い隻眼のストラーフ、十兵衛。 二つ名を持たないまでもその戦闘スタイルから『ケット・シー』と揶揄される事も多いマオチャオ、ねここ。 最後の一姫はさすがにその手の情報に疎い僕だから名前まではわからないけど、それでもそのハウリンの戦闘スキルは、見ただけでその高さを窺い知れる。 「おい、ティキ…… 僕達、とんでもない時にとんでもないタイミングで来たみたいだ……」 こんなカード、早々見られるもんじゃない。と言うか、絶対お目にかかれない。 今、この場所以外のところでは。 「全てを吸収なんて、できるはず無いけど、それでも絶対に参考になるから、見逃しちゃダメだ」 「……ハイです!」 いつもにも増して真剣な僕とティキ。僕らはそのバトルに釘付けになった。 中でもやはり注目しちゃうのは、同じマオチャオであるねここ嬢だろう。基本は同じ特性を持っているわけだから、一番参考にしやすいって言うのもあるのだけれど。 迫力のバトルは終わりを告げ、僕は今サブモニターでのエキシビションとして流れてるさっきまでの試合を眺めていた。 周りはそのときの熱気のままに、バトルが盛り上がっているけど、僕はそのあまりのレベルの高さに、試合が終了したと同時に脱力してしまっていた。 格好悪いけど、腰が抜けたんだ。 そんな僕の頭の上で、上手にバランスを取って座っているティキも、その眼はサブモニターを注視していた。 エキシビションのねここ嬢を見ながら、僕は誰に向けるわけでもなく小声で言う。 「すっげー、すっげー、すっげー。 あんな挙動、参考になんないよ。あんな、『幻惑する流星』のごとき、『切り裂く雷神』のごとき挙動なんて」 多分僕は放心状態で、ティキにしてもきっと衝撃的な体験で。 でもそれでも。 きっとティキもそう思っているんだろうけど。 その地平に憬れて。 そこに立てない自身が悔しくて。 それでもそこに向かう決意を固めてる。 三回目の試合映像を見終えると、僕ら二人はお互いなにも言わず、誰にも何も告げず、大いに賑わっている店内から出て行った。 帰りの電車の中。 僕とティキ――ティキは僕のジャケットの内ポケットの中――は、バトルの余韻と、不甲斐ない自分達に向けられた悔しさに当てられたままに電車に揺られている。 「あっ!」 内ポケットでティキが声を発した。 何事かと思いコッソリとティキを覗く。ポケットの中のティキは何処か驚いたような顔をして―― 「あっ!」 そして僕も思い出す。 店長さんに、相談しようと思ってわざわざエルゴまでやって来た事を。 終える / もどる / つづく!
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/878.html
朝方の騒ぎも一段落し、浩子サンは渡した原稿持って出版社へ戻った。 にゃー供は浩子サンが連れて行った。なんでも校正だの添削だの、下手なバイト使うよりも優秀なんだそうだ。 …その内バイト代請求しちゃろか。 パットは二度寝。 …食うか寝てるか迷ってるかしかしとらんなあいつは。 神姫ショップをやってる友人曰く、まともに戦えばそこそこのランク狙えるそうだが本当かね? ジュリの手により砲台型神姫からラーメン型神姫に簡易改造されたアイリは、おそらく洗面所で顔の落書きを落としていると思われる。 …油性っぽかったからなー。落ちるのかアレ。 そのジュリはと言えば…どうしたのかやたら静かだ。 さっきアイリにぶっとばされたからその辺で伸びてるのか。 まぁなんだかんだで意味も無く頑丈だし、問題はないだろう。 そして俺はと言えば、なんとなく目が冴えてしまい、以前友人に貰ったビデオを観ている。 数年前の、神姫バトルセカンドリーグの決勝戦の記録映像。 そこには鬣をなびかせたアイツが。 『ジュリ』になる前のとあるサムライが、トロフィーを掲げて誇らしげに笑っていた。 「……そういやアイツ。最近ようやくこんな風に笑うようになったよな……」 それはほんの1年前。その頃を思い出しながら、俺は微睡みの中に落ちていった。 --- 今でも覚えている。 そいつを最初に見たのは、夕日に染まる河原だった。 夕日をバックに、ライオンの鬣みたいな髪をした女サムライが素振りをしている。 ソレが身長15センチほどの人形だと気付くのに若干の時間を要した。それ程の存在感があった。 紅い光に照らされた小さなサムライは、陳腐な表現だが、俺の目にはとても美しく、眩しく見えた。 ……そん時のことは誰にも言ってない。つか、恥ずかしくて言えません。 そんでまぁ、しばらくぼーっと飽きもせず眺めていると、ふと妙なことに気付いた。 (下手糞だな) そう。最初の内こそ気迫に圧倒されて気付かなかったが、下手なのだ。 チャンバラと言えば、精々時代劇くらいしか知らない素人の俺が見て解るほど。 なんというか「ただ棒を振っているだけ」というか、やる気の無い剣道部員が惰性で竹刀振ってるような。そんな感じで。 だというのに、当人の顔は真剣そのもの。よくよく思い返しても珍妙な光景ではあった。 一時間ほど見ていても変化がなかったので、見かねて声を掛けたところ…… 「うるせぇなぁギャラリーなら黙って見てろ。軽そうな頭カチ割るぞ三下。」 ……まぁ、第一印象は壊滅的に悪かったな。 --- その日の夜、原稿回収を口実に飯を食いに来た浩子サンに聞いたところ、そいつは『武装神姫』の侍型なのだと教えてもらった。 …高校の頃の友人がショップを始めたとか手紙で連絡してきたっけな。そういえば。 「……んで、その『ぶそーしんき』っつーのは、そのなんだ、肩に乗ってるグロちっこいのの仲間か?」 「そーよー。可愛いでしょ?」 んふふー♪とか笑いながら、ツギハギだらけの青白い人形に頬擦りをする浩子サン。 その不健康な肌の人形も、くすぐったそうに頬擦りを返していた。 …あとで聞いた話だが、そん時浩子サンが連れていたのは一部で『幻の神姫』と呼ばれたゾンビ型。 ビジュアル面で恐ろしく一般受けしなかったために、最初期の流通分を除いて再販されなかったとかなんとか。 嘘か本当か知らんが、一部の好事家には垂涎の的らしい。 「ほーらモモコ。ご挨拶♪」 『モモコ』と呼ばれたゾンビ型神姫は、サイケに塗り分けられた頭を小刻みに揺らしつつ、カカカカカ…とアメリカンクラッカーでも鳴らしてるような音を立てた。 ……それが笑っているのだと気付くのに数分かかった。 「……か、可愛い、か……?」 …正直、俺にはよく解らなかった。 --- それから数日。夕方になると、俺は川原で下手糞な素振りを繰り返すサムライをぼーっと眺めるのが日課になっていた。 サムライの方もこちらに気付いているようで、しかし、特に話しかけてくることもなかった。 --- 「なぁ浩子サン、神姫ってのは電池かなんかで動いてんのか?」 「ん?うん。詳しいところは私もよく知らないんだけどね。ちょっと充電しなくてもケータイくらいはもつよ。」 …とすると、どっかで充電とかしてんのかな。あいつ。 「……ねぇ慎くん、その子さぁ、マスターとかそばにいなかった?」 「マスター?…所有者ってこと?……そういやそれっぽいのは見たことねぇなぁ。日が暮れたらさっさとどっか消えちまうし。」 「うーん…そっか…あのね?」 浩子サンが言うには、マスターのいない野良神姫ってのも意外に多く、所謂野良動物みたくロクな目に遭わんのだとか。 「…明日あたり聞いてみるか」 --- 更に翌日。 その日のサムライはたまたま休憩しているのか、小さな石に座っていた。 俺もちょっと離れたところに座る。 しばらくぼんやりと眺めていたが、動く気配がないので話しかけてみた。 「なぁサムライ、今日は素振りしねぇのかよ」 「ノらねぇ」 見事なまでに一刀両断。 結局彼女はなんもしないで消えていったので、俺もそのまま帰った。 しかし、それからはちょくちょく会話するようになった。 実は向こうもキッカケを待っていたのかも知れん…てのは自意識過剰なんだろうか。 …実際大したことは話していない。その日の天気とか何食ったかとかどこに行ったとか、そんなことだ。 あとは黙って夕日を眺めたりとかな。 傍から見ればロボット人形相手に世間話ってのも異様な光景だと思うが、不思議と俺自身は変に感じなかった。 多分、対等に話せる相手があんまいなかったってのもあるんだろう。 俺はあえてサムライのことは聞かなかったし、彼女も特に俺のことを聞かなかった。 互いの呼び方にしてもそうだ。 「…しっかし手前ぇ毎日毎日来やがって。そんなヒマあんなら働けよおっさん。」 彼女は俺を『おっさん』と呼び、俺は俺で『サムライ』と呼ぶ。 何故だか解らんが、お互い名乗りもしなかった。 「あんなぁ…ちったぁ息抜きくらいさせろよ。日がな一日埋まらねぇ原稿用紙とにらめっこしてんだこっちは。たまに外出ねぇとマジで腐っちまわ」 ここでサムライは、驚いたようにこっちを見た。 お、意外に可愛い…ってなに言ってんだ俺。 「おっさんアレか。物書きか。」 「まぁそうだ。大して売れてねぇけどな。」 「ふぅン…」 そして、また二人でぼーっと夕日を眺める。 しばらくして、サムライが言った。 「……実はアタシのマスターも元は物書きでな。時代小説とか好きな人だったよ。」 「……そーかい。」 ここで俺は、一瞬迷った。本当に迷った。 聞くべきか聞かざるべきか。 でもな。それでもやっぱり…… 「なぁ……前から気になってたんだけどな。」 「ん?」 「……お前さんのマスターとやらはどうしたんだ。」 サムライが息を呑んだ…ように思えた。 ……そして沈黙。 いいかげん静寂に耐えられず冗談だと言おうとしたら。 サムライが音もなく倒れていた。 SIDE-Bへ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1639.html
前を見た少女と、煌めく神の姫達(その二) 第四節:真心 楽しかった夕餉も終わり、私達は電車で次の場所へと向かった。そこは、 冬のお台場である。バレンタインには相当早い為か、夜と言ってもさほど カップルの数は多くない。私達の邪魔をされないという意味では、上等! 「とりあえず、観覧車にでも乗るか?街の夜景を見るのも、いいだろう」 「はいっ!あたし達も、こんな所に来るのは初めてですから緊張します」 「……多分それは、マイスターも同じなんだよ?だって頬が、紅いから」 「マイスターも来た事無かったの?大丈夫かしら……でも付いていくわ」 「折角のデートですから、デートコースはマイスターにお任せですの♪」 民放キー局が遠くないこの場所にあるのは、湾岸地区の夜景を楽しむには 最適と、午前中に買い求めた雑誌の記事で書かれていた大観覧車である。 なるほど……目の前にしてみれば、小さな私の躯にはかなり大きい。更に 躯の小さな神姫達ともなれば、天を突く程の巨大な風車なのかもしれん。 「……ふむ、どうだ。これに乗って、今から暫く皆に話をしたいのだが」 「う、うん。良いわよ……アタシには何がどうとか、まだ分からないし」 「きっと東京の夜景が、煌めく無数の宝石みたいに映るはずですの~♪」 「楽しみ、かな。さぁ、マイスター……行こう?邪魔のされない領域に」 「どんな時間が過ごせるのか、楽しみですね……ええと、大人一枚です」 訝しむ受付嬢に“大人一枚”と復唱して、私達はゴンドラへと乗り込む。 デートスポットに一人で来る、こんな外見の私を不審に思うのも当然か。 だが無闇にそれを怒るよりも、今は大切な“妹”達との時間を尊重する! 「ほう……これが、東京の夜景か。どうだ皆、自分達が住まう街の灯は」 「うん、綺麗!凄く綺麗よ……世界がこんなに輝いてるのに、アタシっ」 「それ以上は言いっこ無し。エルナちゃんも、この光景を楽しむんだよ」 「そうですよ。ほらアレ見て下さい!東京タワーですよ、東京タワー!」 「夜空の星はちょっと見辛くても、夜の灯火はまた綺麗ですの~……♪」 その自制が奏功し、皆は輝く夜の街並みに釘付けとなっている。無論私も 東京の美しさを再認識して、荒み気味の“心”が満たされるのを感じる。 陳腐とは思うが、こういう些細な事さえも……今なら大事に思えたのだ。 そして最上部へ差し掛かった辺りで、私は話を切り出してみる事とした。 「……さてと、まずは今日の修理で何をしたか。それを告げねばならん」 「修理、ですか?あたし達は全身のモーターと、電装機器が不調で……」 「とても立ってられなくて、セーフティが起動したんだよ。大丈夫かな」 「有無。それらの交換・修理は無論だが、CSCへの負荷が大きかった」 正直、今告げて良いかは悩んでいた。だが、この後にもっと重大な告白を せねばならん以上は、この程度なら『大事の前の小事』と言えるだろう。 私は、少し不安げに見つめる四人を膝に乗せて“治療”の内容を告げる。 「そこで損耗が軽微な“プロト・クリスタル”の情報を利用したそうだ」 「利用?それって、データの補強に別のCSCを用いたって事ですの?」 「そうだ。現行型CSCの論理ダメージは、そうして修復したらしいぞ」 そして物理的な傷は、Dr.CTaが持つマイクロマシン用の技術で回復した。 その辺をどうやって直したのかは、私には分からぬが……恐らく彼女なら 後顧の憂いがない程度に“傷”を修復してくれた、そう私は信じている。 「そしてエルナ。お前の“CSC”も、同様の方法で修復したと聞いた」 「えッ!?ちょっと、CSCって……アタシにそんなのが入ってたの?」 「有無。当然、現行型CSCではない。もう一つの“プロトタイプ”だ」 「じゃあ……これでエルナちゃんは、正真正銘“神姫”になれたのかな」 「更に言えば、本当の意味であたし達の“妹”にもなりましたね……♪」 それはロッテのCSCが正式に認可される程度に、CSCと酷似した珠。 神姫の試作品が源流ならば、それも必然だったのだろうが……エルナに、 “心”が宿るのを拒む者が居なかったのは、これで確かとなったのだッ! 「やっぱりエルナちゃんは、愛されてましたの。そしてこれからもっ♪」 「う、うん……アタシにも“心”……“真心”が、宿ったのかしら?」 「無論だろう。四人とも、各々の“真心”を得て蘇ったのだ。大丈夫!」 恐らく同じ修理法は何度も使えぬだろう。それだけの“離れ業”なのだ。 だが、Dr.CTaがそうして皆を蘇らせた事は……私達にとって特別な意味を 持つだろう。“魂”が神姫にあるならば、その繋がりがより強固な物へと 進化したという事が、言えるのだからな。私にとっても、誇らしい事だ! 「そっか……じゃあ、アタシもお姉ちゃん達の大切な“妹”になれる?」 「勿論ですの!エルナちゃんは、これからもずっと大切な存在ですの♪」 「ボクらも……アルマお姉ちゃんも、ロッテお姉ちゃんも……なのかな」 「それは、マイスターの“告白”を聞けば分かると思いますよ……うん」 「そうだな。では今こそ、言おうではないか……っと!?ちょっと待て」 そして“様態”の説明が一区切り付いた所で、皆の視線は私へと集まる。 そう、いよいよ告げねばならぬ時が来た……と思ったのだが、見ると外の 風景は、輝く夜景から元居たビルの谷間へと戻ってきていた。そう、今は 観覧車の中……一周してしまえば、降りなければならない。迂闊だった。 「う、うぅむ……時間が来てしまった。場所を変えて、そこで話そうか」 「それがいいですの。ちょっといい雰囲気だったのに、残念ですの……」 「ぅぅ……じゃあ何処に往きますか?あたしは何処でも大丈夫ですけど」 「やっぱり、ロマンチックな場所がいいと思うんだよ。大事な事だから」 「アタシは……胸が熱くなる感じがしてたから、助かるわ。少し怖い位」 ──────私も怖いけど、だけど……とても胸が暖かいよ。 第五節:約束 場所の選定ミスによって、告げるタイミングを逃した私達。だが、ここで 諦めるつもりはない。という訳で、観覧車を後にした私達は海浜公園へと やってきた。潮騒の音が、優しく夜闇を揺らす……そんな静かな場所だ。 だが、どうも仕切直しとなった空気は重苦しい。何から話せばいい……? 「……ところでさ、マイスター。なんでアタシの名は“エルナ”なの?」 「む。いきなりだな、エルナや……そうか、名前の由来が知りたいのか」 「そうみたいなんだよ。ボクは、お店の名前からもらったんだけど……」 「あたしもですね。“ALChemist”から一文字もらってます……あっ!」 そんな雰囲気を撃ち払ったのは、エルナだった。そう、“妹”の名前には しっかりと意味がある。店名から、ドイツ人女性の名を導き出したのだ。 “Alma”と“Lotte”、そして“Clara”に“Erna”。不思議か?だがッ! 「そう。エルナの“r”と“n”は、“m”を分解して捻り出した物だ」 「つまり“錬金術師”の名を冠する大切な神姫、って事になりますの♪」 「アタシも、同じ存在なのね……じゃあ残りの字は、どうするのかしら」 私の考えを聞いて、エルナは嬉しそうに……しかし、少しだけ不安そうに 私を見つめる。彼女の純粋な問いに対する答えは、私の胸にある。それは 少し照れくさい言葉となるが、“告白”の切っ掛けとしては上等だろう。 「まず、“ist”は“Christiane”……クリスティアーネから取った物」 「……なら残りの“h”はどうしますの?それが、気になりますの……」 「そうだな。“Herz”……ドイツ語で、“心”や心臓を意味する単語だ」 『え……?』 そうだ。皆の中心には“心”が……私の“心”がある。今から告げるのは それを確固たる物とする為の、誓いの儀式だ。言葉は、選ばねばならん。 「エルナ。新しく私達の“妹”となる、気高き紫の姫君よ」 「な、何?……マイスター、何でもいいわ。話して……」 「お前を解き放った以上は、終生まで側にいてもらうぞ?」 「これ……首飾り?お姉ちゃん達と、お揃いの……?」 私は、答えを待たずポケットから一つのペンダントを取り出して、彼女に 付けてやった。そう、私の……歩姉さんのペンダントを元に作り上げた、 五人お揃いのペンダント。これがエルナに与える、“約束の翼”である。 何れは此処に神姫バトルの階級章を嵌め込む。そうして完成する逸品だ! 「……クララや、静かなる翠の姫君よ」 「何、かな?マイスター……」 「智恵と、秘められた優しさ。これからも大事にしてほしい」 「……大事に?……それは……」 クララは答えを紡ぎ出そうと俯き何かを思うが、私は更に皆へと告げる。 四人もいるのだ、一々区切るよりは一遍に告げてしまった方が楽だろう? 「アルマよ。陽の如き、明るき紅の姫君」 「は、はいっ!?」 「お前の暖かさと“姉”としての矜持は、皆を支えていくだろうな」 「ぁ……支えるだけじゃ、ダメなんです……その……」 アルマは反論しようとしたが、そこで一端言葉を句切った。そのまま私は 残った一人へと、そして皆へと想いを告げる事とする。血が沸騰しそうな 感覚を堪えて、私は言葉を絞り出す。最早、隠す事は出来ないのだから。 「……そしてロッテ、澄み切った蒼の姫君よ」 「はいですの♪」 「お前は、純粋な“心”で私の……皆の力となった」 「……そう言ってもらえると、光栄ですのっ」 「そして、皆……今だけは、私の『本当の言葉』を伝えたい」 『はい……』 それは、遠い昔に棄ててきた私の“弱さ”。しかし、完全に捨て去る上で 彼女らに、それを伝えないといけなかった……ううん、伝えないとダメ。 私の弱い所も強い所も、全部……何もかも皆に見せないといけないから。 「コホン……皆、とても大切。『好き』とか『愛してる』だけじゃない」 「ま、マイスター……?」 「もっともっと純粋な『大切にしたい』って想いが、私にはあるんだよ」 「……マイスター、その口調……」 「でも、それを一言にしちゃうなら……やっぱりこうなっちゃうかな?」 「ずっと前、お店を立ち上げるより前の……弱かった頃の言葉ですの」 「だから、私は言うよ。アルマ、ロッテ。クララ、エルナ……四人とも」 「う、うん……何?」 そう……これは私が弱さを棄てる前に、歩お姉ちゃんと話していた言葉。 今この時は、この言葉で語りたい……だって、止められない想いだもの。 それはたった一言。陳腐でも、飾らなくてもいい。偽れない大切な言葉。 「“大好き”だよ……皆」 『あ……!?』 その言葉と共に、私は皆の小さな……とても小さな唇と、優しく触れる。 堅い殻の躯だけど、それでも“心”はとても甘く切なくて……暖かいの。 だけど、それを認識したから……私はやっぱり、素直になれないのだな。 「……は、はは。今更生き様は換えられぬが、雰囲気もあるしな?」 「マイスター……」 「だから今だけは、あの言葉で想いを……な、何だクララや?」 そう言い、照れながらも調子を戻した私の掌に乗るのは、クララだった。 彼女は、心なしか潤んだ様に映る“琥珀色の瞳”で、私を見つめている。 「異形を抱えて消えかかったボクを救ってくれたのは、貴女なんだよ」 「……う、うむ。そうだったな」 「その時から、ボクの“心”にはずっと貴女がいたもん」 「クララ……?」 「だから、ボクも言うよ……掛け替えのない大切な人に“大好き”って」 「んむ……ん、ぷは。クララ……むぐぅ!?」 そして私の唇に押しつけ返される、クララの小さな唇。そっと抱きしめる 私の手中で、彼女は身を退き……アルマへと、身を譲った。彼女もまた、 私の唇を奪い……そして、泣きそうな儚い笑顔を浮かべつつ言ったのだ。 「ん、ん……あ、アルマっ?」 「支えるだけじゃダメです。あたしも、皆を愛して……愛されたいから」 「アルマ、お前……」 「だって貴女の“心”が、あたしを暖かくしてくれたから……だから」 「……有り難うな、本当に」 「いいんです、一生お返しするんですから。“大好き”な人に……ね?」 涙が零れる。だが、皆の思いが籠もった“琥珀色の瞳”を見逃すまいと、 私はずっと皆を抱きしめながら、その想いに応えていくのだ。次に、私の 前に現れたのはエルナ。彼女は、頬を真っ赤に染めながら上目で告げた。 「……正直ね?まだ、何もかも信じ切れたわけじゃないの」 「エルナ……それは、そうだろうな」 「だけど、貴女達なら……お姉ちゃん達と貴女なら、信じてみたいわ」 「……そうか」 「“命”と“心”を掛けて救ってくれた皆を、“大好き”って言いたい」 「──────ッ!」 「それが、アタシの“真心”。素直じゃないけど、赦してね?……んっ」 「ん、む……んぅぅ!?」 エルナの告白と共に、私の唇は三度……そして四度塞がれる。最後に私へ “純潔”を捧げたのは……他ならぬロッテだった。彼女は、とても明るく 私に微笑みかけて、そして紅潮する顔をそっと抱きしめてきたのだ……。 「人と神姫では、歩いていける時間が違いますの。永遠は無理です」 「ロ、ッテ……?」 「だけど、全ての時間を“大好き”な人と共に使いたいですの♪」 「あ……ロッテ、皆……ッ!!」 「だって、本当に“大好き”なんですから……貴女の事が」 「……ぐす、みんなぁ……ッ」 「だから万一人間の恋人さんが出来たって、問題ないですの~♪」 「ッ……ばかぁ、っ!」 ロッテの“告白”を受けて、四人が私を見上げる。堪らなく、愛おしい。 私は優しく抱きしめた。小さな殻の躯に詰まっているのは“空”ではなく 純粋で穢れのない“心”。その眩しさで、また私の視界は潤んでしまう。 私は、ずっと……愛しい“妹”達を抱きしめて、歓喜の涙を流していた。 彼女らも、その想いは同じだろう……それがまた嬉しくて、微笑むのだ。 「ぐす……私の“弱さ”を見せたのはお前達だけだ、そして……だなっ」 「今後“弱さ”を見せる事は多分無いだろう……って言いたいのかな?」 「それでも大丈夫ですよ。今の……マイスターの“心”は、皆の中に!」 「ちゃんと刻まれたわ……大丈夫、忘れない。貴女の全てと共に歩むの」 「だから、もう一回だけ。皆で“告白”しますの♪いっせーのーせっ!」 『マイスター……“大好き”ですッ!!!!』 ──────私も、“大好き”だよ……。 ──武装神姫……小さな戦乙女。人と機械の垣根を越えて、そんな君達に 出会えた喜びは、ずっと朽ち果てない宝物だよ……小さな私の“妹”達。 皆で、ずっと一緒に歩んでいこうね。それが、皆の“願い”だから──。 妄想神姫:本編 / Fin. メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/busou_bm2/pages/145.html
[部分編集] カービン もともとは馬上で使用する軽量なライフルの事。現在では室内等で使いやすい短くされたライフルをこう呼ぶ。ただし明確な定義はない。ライトガンカテゴリーのイーダ型の武装。ライフルとハンドガンがあるので選ぶ時は注意。 ガイア ヴァルハラのトップに君臨している(いた?)神姫マスター。専用シルエットのオーラ(?)により独特の雰囲気をかもし出している。その厨二病溢れる言動から色々とネタにされ、「大地さん」と親しまれて(?)いる。かっこいい専用戦闘BGMがあるが、イベント戦でしか聞けない。相方はストラーフMk.2のハーデス。説明では他人の大事なものを壊すことが好きなS(意訳)とあるが、むしろただの戦闘狂という方が近い。とりあえずチューブステージでCHIKARAはやめて下さい。 楽器 打撃武器の一種なのだが、このゲームのルールにおいて弱い要素が揃っているためどうにも使うのが難しい。ちなみに打撃に使用する割に何故か打楽器はない。もちろん楽器は本来武器ではないが、ゲーム等では武器として登場することがたまにある。なお、DLCで登場する武器パラボナソナー"マポノス"は楽器カテゴリの武器では楽器の形状はしておらず、純粋な兵器の形状である。補足:ベイビーラズは公式に打楽器を持っているが、ドラムセット本体はリアパーツ、スティックはダブルナイフ扱いであり、パーカッションは通常頭に付けているためか武装ですらない。 勝ち組 何かの要素で勝っているとされる者達の事。男性ならば身長・財力・ルックスなどだったりするが、女の子ばかりな神姫においては一部パーツの大きさで決まると言われる。バトマスでは一般的にイー姉、レーネ、アーク、紗羅檀、オールベルンあたりが勝ち組と呼ばれる。一方で負け組とされる神姫については記述を避けるが、おおむね指摘するとムキになるのが負け組だとい(ここから先は何かで汚れていて読めない)勝ち組側は大抵その事に自覚が無く、「大きくてもそんなにいいことないんだけどなぁ」といった発言が飛び出すことが多い。…ある奴と無い奴の溝は何よりも深く昏いのである。ちなみに、神姫の場合胸パーツは換装できるが、やっぱりそういったパーツは需要があるのか和津香のような悲劇を産むことになったりも…。 滑腔砲 戦車などの大砲で砲身内に砲弾を回転させる旋条がないもの。より高速で砲弾を発射したり、回転すると効果が落ちるタイプの砲弾を発射するのに使う。神姫では、フォートブラッグのリア装備、FB1.2mm滑腔砲がこれにあたる。神姫の装備では、なぜかバズーカ扱いである。対して、砲身内に施条を切って砲弾を回転させる砲をライフル砲(施条=ライフリング)と呼び、こちらは回転することで砲弾の飛行が安定するので、より命中率を求めるタイプの砲弾用の砲となる。 ガトリング ガトリング砲。100年以上前に発明された機関銃。多銃身がリング状に配置されていることが特徴で、複数の銃身を回転させる事で装填、発射、排莢のサイクルを自動で繰り返しつつ連続射撃を行うことを可能とした。手持ち式ガトリングは単銃身で連続射撃が可能かつ軽量の機関銃の登場で一気に廃れたが、同じ数の弾丸を発射した場合銃身が複数ある分だけ銃身へのストレスが減るため発射サイクルを上げても銃身寿命が長い、万一不発弾などの不具合が生じても滞りなく次弾を発射できる等の利点があり、現在では重量が大きいことより動作不良が問題になる航空機搭載機関砲や艦船のCIWSに採用されている。なお、初期は手動式だったが、現在は電動等が用いられる。ちょっと使いにくい武装だがRA「T・ARMS」を入手するとつい使っちゃうんだ。 ガブ/ガブ子 ガブリーヌの俗称の一つ。 ガブリーヌ パンドア製神姫、ヘルハウンド型ガブリーヌ。前作DL神姫でシナリオは第7号にて実装される。自分は地獄から来た、と主張するが、同期の蓮華には「地獄の駄犬」呼ばわりされていた。グラ姐未登場の本作においては、唯一の褐色肌神姫である。 金朋地獄 蓮華の中の人、金田朋子嬢の言動が、あまりにハチャメチャで聞いた者の腹筋を破壊する上に抜け出せなくなる中毒性を持つところから付けられたもの。既に固有魔法の域に達しているとも。バトマスのプレイ動画でも、蓮華が取り上げられると、もれなく金朋地獄のタグが付けられている。今から蓮華のシナリオが実装される日が心配楽しみである。←DLC第5号にて実装。予想通りの金朋地獄が堪能できましたw余談だが、本人のブログ名が「カネトモ地獄 早起きは三文の毒」であり、ある意味公認の言葉である。 キシマさん プロキシマの俗称の一つ。 キメラ キメラ装備とも。複数の動物の混ざった姿をした神話の合成獣キメラを語源とし、転じて神姫各々の純正装備以外の武装を一つでも装備した状態を指す。見た目の整合性やキャラクター性より、よりストレスなく嫁神姫を操作できることを重視したアセンブルスタイル。しかし実際アビリティの補完、戦闘スタイルの自由度確保のため、アクセサリーと武器については何がしか純正以外のものを装備しているプレイヤーがほとんどで、暗黙のうちにアクセサリーと武器に限っては何を装備していてもキメラではないと見なされている。また、固有RAを使用できる純正武装だけでコストを使い切ることはまずないので、空いている部位に追加の武装を施す「純正+α」のアセンブルもごく普通に行われる事である。対戦の際にはこのあたりについてどうするか確認しよう。ぶっちゃけ完全純正以外のアセンブルがアリかナシかで全く別のゲームになる。古くは神姫のゲームがバトロンのみだった時代からある単語で、性能重視で外見がすごいこと(全身ハリネズミのようにブースターがついているなど)になっている神姫が主にこう呼ばれた。キメラの名はそのような外見も関係していたのかもしれない。バトロンでは最終的に武装がまったく同じで素体だけ違う神姫ばかりという状態になったこともあり、「(性能的)個性がなくなる」という事実から「キメラ」を否定的に考えている層も少なくない。しかし武装神姫はもともと公式に組み替え遊びを是としている玩具であり、組み替えの自由がある。結局は「他所は他所、ウチはウチ」の精神が大切ということだろう。また、先の経緯からキメラという呼び方を蔑称として使う人、受け取る人も少なからず居るので空気を読む事も忘れずに。 キャッキャウフフ 一般的には「じゃれあう様子」をさし、神姫とイチャコラする意味で使われる。「キャッキャウフフ」と半角で記載することが通例である。 旧黒子 初代ストラーフの俗称の一つ。ストラーフMk.2と区別するための呼び名。 旧白子 初代アーンヴァルの俗称の一つ。アーンヴァルMk.2と区別するための呼び名。 牛丼/ぎゅうどん/ギュウドン/ギュウドン 戦乙女型アルトレーネの事。バトルロンドやバトルマスターズにおいても、ぎゅうどん会話ネタがついてきたため。 キュクノス ドレス・メカニカ製神姫、白鳥型キュクノス。鴉型アラストールと同じく、コナミが2011年にイベントと通販のみで発売した神姫で、武装部分はレジンキャストになっており、素体はMMS NAKEDを用いる。彼女の登場のために、ガレージキット版で白鳥・黒鳥と呼ばれていたオールベルンが剣士型にされたと勘違いされ、一部のファンからあらぬ恨みを買う羽目になっていたりする。(実際にはオールベルンが「剣士型」として製品化が発表されたワンダーフェスティバル後の飲み会で製作が決まったため、無関係と思われる。また、オールベルンガーネット・ジールベルンサファイアもほぼ同時に発表されており、そちらの影響とも考えられる)アラストールと同様に、武装セットのみがDLC第7号にて実装される。オールベルンにキュクノスのリアを組み合わせ、「白鳥型オールベルン」を再現した紳士も多いのではないだろうか?戦力面でも、オールベルンの純正装備にキュクノスのリアを組み合わせると空中移動系のアビリティが全て揃う(急上昇・急降下、空中ダッシュが追加)ので、悪い組み合わせではない。 強化ミミック ストーリー終盤とクリア後のMAPにてエンカウントするミミックの強化型。SPDとDEFの初期値がずば抜けており、他の部分の数値も素体中で高い部類である・・・が、このゲームではSPDの値が反映される上限がある。また出現の条件を考えると自神姫も十分に強くなっている為、あまりミミックと大差なく感じるかもしれない。ただし、ジャスティスやミミックを育てているときには、Love1だろうと、外に出ると強化ミミックが襲ってくるので、そこだけは注意されたし。 グラフィオス マジックマーケット製神姫、サソリ型グラフィオス。素体未登場だが武器(レサートロッドシステム等)だけ登場。AIは非常に好戦的な性格付けがなされており、「悪の組織の女幹部」や「魔王」などと称される性格の持ち主。ことバトルに関してはマスターに対しても高圧的にふるまうことも。イーアネイラ並の豊満ボディに、胸部装甲とサイハイソックス以外は紋様を描いただけの実質裸という抜群の露出度を誇り、美少女型が大多数を占める神姫達の中で他にイーアネイラ型、プロキシマ型くらいしか居ない美女型。加えて他にはガブリーヌ型しかいない褐色肌であるなど希少性要素のオンパレード。選択肢を広げる意味でも、バトマスにも登場して欲しかった。武装の殆どがリアに集中しているのが特徴。また武装を組み合わせてサソリ型ビーグルメカ「ウィリデ」に変形させることも可能。更に複数の神姫の武装を合体させるシステムに対応し、同時期に開発されたウェスペリオーと互いの武装を合体させることで、大型ドラゴン型メカ「ゼオ」を作り出せる。そのためフィギュアのプレイバリューは非常に高い。このロマン溢れる複数の神姫の武装を合体させるシステムを持つ神姫は、グラフィオス ウェスペリオーの「ゼオ」の他に寅型ティグリース 丑型ウィトゥルースの「真鬼王」 「ファストオーガ」とカブト型ランサメント クワガタ型エスパディアの「ヘラクレス」がいるが、残念ながらバトマスには一切登場しない。 クラブヴァルハラ メインストーリー中盤以降に登場する非公式バトルを行っている賭博場。名の由来は北欧神話において決戦のときに備え戦士達の魂を集める宮殿ヴァルハラ。勝てば相手の武装を手に入れ、負ければ武装を剥奪される。ここにしか出てこないマスターもいる。登場時点では非合法な場所のはずなのだが、ゲームセンターで見かける面々がホイホイ出入りしていたり、違法改造が横行している割に敵の戦闘能力に差異はないなどあまり緊張感はない。浄化後はそれに拍車がかかる。tipsにもあるが問題なのは現金による賭博と神姫の違法改造であり、ここでの神姫バトル自体は違法ではないため安心してほしい。一部マスターが、賭け金がどうのこうのと呟いていることがあるが、聞かなかったことにするのが大人の対応である。柴田君の武器がピコピコハンマーだけになっている。もうやめて、柴田君の使える武器はゼロよ! グループケーツー 武装神姫世界における神姫製造メーカーのひとつ。フブキのメーカー。長らくシンボルマークが不明だったが、フブキ弐型 ミズキ弐型のマーキングに、縦に並んだKKを図案化したものがあり、これがグループケーツーのシンボルマークと思われる。 クレイドル 神姫の充電に使われる充電器。主人公の部屋にはクレイドルが1個しか確認されていないため、34体以上の神姫をどうやって充電しているのやら…。主に人間でいう寝床のような形で利用するものらしい…が、アークのイベントではどう聞いても押し込んでいる。なお、同イベントの話を聞くと、どうやら一つのクレイドルを使い回している様子だが、さて…。コナミスタイルで通販グッズとして販売もされたりするが、こちらは無論神姫の充電機能は付いていない。代わりと言ってはなんだが、USBに差すとランプ部分が光る。…ただ、それだけである。 黒子 悪魔型ストラーフの俗称の一つ。今作ではストラーフMk.2も含む。 黒にー 悪魔型ストラーフMk.2の俗称の一つ。黒=ストラーフ にー=Mk.2(に)。間違っても黒いニーソックスの略ではないぞ。大体誇り高いストラーフがそんな装備など…、あー、ど、どうしてもというのなら、その…ゴニョゴニョ 黒星紅白 アフォンソファクトリー製のエストリルとジルリバーズの素体部分を手掛けたデザイナー。代表作はキノの旅やサモンナイトなど。エストリル・ジルリバーズ発表時に降臨した本人のコメントによるとペロリストらしい。 軽白子 天使コマンド型ウェルクストラの俗称の一つ。「軽」なのはライトアーマーシリーズのため。ちなみにヴァローナはこの法則からだと「軽黒子」だが、モチーフからか夢魔子と呼ばれることの方が多い。 ゲイルスケイグル(EX) アルトレーネ専用レールアクション。前作では当てにくいレールアクションの代名詞だったが、今作では威力共に大幅な改善をみられた。が、槍の向きが逆なのはアルトレーネ型のいつもの事だったりする。バトロンではちゃんとした向きで投げるのにどうしてこうなった。ちなみに名前は北欧神話に登場するワルキューレの一人の名前からで、「槍の戦」の意味。 ゲームセンター 娯楽施設。他の神姫オーナーたちと神姫バトルを行う場所。子供からお年寄りまでが利用しているが、神姫上級者も多く訪れるようで、普通の人はちょっと入りずらい雰囲気を醸し出しているような気がしないでもない。。ツガルによると主人公が的確に変人を選んで戦っているだけらしいが…あるいは単に主人公の周囲に濃い人が集まりやすいだけなのかもしれない。隣町にもゲーセンがあり、筐体からレイアウトまでまったく同じようだ。全国展開なのだろうか。ちなみに、画面を見るかぎりレースゲームらしきものが見え、他にも紗羅檀のシナリオでリズムゲーム(「神姫が乗って足で遊べる」ということから、恐らくbeatmaniaIIDXだと思われる)が置いてある事が分かっている。 ケモテック 武装神姫世界における神姫製造メーカーのひとつで、ハウリン・マオチャオなどのメーカー。名前通り主に動物を題材にした神姫を取り扱っており、会社のシンボルマークも動物の顔を図案化したもの、と徹底している。神姫デザイナーBLADEのデザイン神姫はほぼここ。 誤爆は神姫名うp スレで誤爆してしまったときは、自分の神姫達につけた名前をうpしなければならないというバトルマスターズ神姫スレの鉄の掟。元々はおもちゃ板の武装神姫スレの鉄の掟「誤爆は神姫(の写真)うp」から。 コナ☆スタ コナミの通販サイト「コナミスタイル」の事。表記の「☆」は略称の語感が某アニメに似るため。武装神姫の限定商品などを取り扱っていたりする。特に地方在住の武装紳士にとって、一般流通しないリペイント版神姫を入手するほぼ唯一の手段でもある。クリアファイル等の「コナスタ限定の」オマケがついてくることも多い。価格は基本的に定価販売(ごくたまにセールをするが、ほぼ瞬殺される)。値段は気にしないが確実に欲しいという場合、ここで予約するのも手だろう。 固有RA 各神姫に特定の武装を施した状態でのみ使用可能になる専用RA、および特定ライバルが使用してくる特殊RAのこと。神姫専用RAにはランク3~5武装を使う通常版(1体のみ例外)と、ランク6~7武装を使うEX版がある。基本的に数を撃ってこその射撃系RAはスキあらば発射できる通常版のほうが使い勝手が良いが武装が貧弱になるという問題があり、EX版はライドマックス状態でしか使えないため出したいときほど使えない。武装も含めて性能はピンキリ。だがやはり、トドメはこれで締めたい。 コンマイ コナミの蔑称あるいは愛称。“KONAMI”をローマ字入力する際、"KONMAI”と打ってしまうことが少なくないことから。またあるアーケードゲームでコナミ自らが誤植してしまったこともある。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2233.html
「先輩!イルカがこっちを向きましたよ」 「おー、かわいいなぁ。しってたか?イルカは睡眠をとるときに脳を半分ずつ寝かせているんだ」 「そうなんですか?理系としては興味深いですね」 「そのあたりは俺はサッパリだけどな・・・」 「・・・・・あ、次のショーが始まりますよ」 気まずくなって話題をそらす由佳里、その心遣いが優一には痛かった。 電車で小一時間ほどの距離にある水族館、その一角の一番広いスペースを占める大型プールで行われている、イルカのショーを二人は見物していた。 すると突然、イルカの一頭が大ジャンプして着水、大量の水飛沫が二人に降りかかる。 「のわっ!?」 「きゃぁ!!」 「はっちゃー、ビショ濡れだな。大丈夫か?」 「どうにか・・・」 優一は暗い色の服装のためか頭が濡れた以外目立った被害は無いが、由佳里の方は白いブラウス越しに下着が透けてしまっていた。 「・・・・とりあえずこれ、羽織っとくといいよ」 「はい・・・」 そう言って彼は紅くなりながら自分の半袖ジャケットを由佳里に手渡した。 -- 「フンガー!!!」 「お姉様落ち着いてください!」 「駄目だコリャ」 反対側の座席の一角、優一らが座っているちょうど反対側に八雲達がいた。 「だって、今もの凄く良い雰囲気だったでしょう!?」 「だから落ち着いてくださいって!」 怒りやら嫉妬やら負の感情で、アカツキは完全に我を失っていた。 「とにかく、見つかったら面倒だから、二人とも静かにしてくれよ・・・」 「『女の嫉妬は地獄の業火』、って言うでしょ。諦めなさいな」 頭を抱える八雲に追い打ちをかけるミコト。シラヌイは彼の気持ちが何となく判る気がした。 お天道様が南のど真ん中を通過する頃、イルカショーを見終えた二人は外のベンチで休憩を取っていた。 「えっと・・・・・・由佳里、今何時だ?腹減っちまった・・・」 「丁度十二時半ですね。実はお弁当、作って来たんですよ。先輩もどうですか?」 そう言うと由佳里は自分のバッグからゆうに五人分は有りそうな重箱を取り出したが、空腹感が既にピーク(優一の体はトコトン燃費が悪い)に達していた優一からしてみれば好都合だった。 「いよっしゃ。戴くとするかな」 「あhfhrkfじゃいおええかm!!」 「だから!いい加減にしてください!!」 一方、100メートルほど離れた植え込みの影では段々と手に負えなくなってきたアカツキをシラヌイが必死に止めようとしていた。 「手作り弁当とは・・・・やるな・・・・」 「同感」 「まさか、まさかまさかまさか、『君も食べちゃいたいよ』みたいな展開に・・・」 「「なるわけあるか!!」」 二人に気づかれない最大限の音量で突っ込むミコトとシラヌイ。いつもの敬語は何処へやら・・・。 「はふぁー」 ため息をつく八雲、辟易するのも無理は無いだろう。元来彼は他人の行動や言動を疑うことがない。よく言えば正直者、悪く言えば早とちり仕勝ちな人物だからだ。 「兎に角、二人とも後で黒崎に謝っとけよ」 気を取り直して八雲はアカツキとシラヌイに忠告すると、シラヌイは沈黙を持って了解としたが、アカツキから拒否の言葉が飛び出した。 「・・・・・・・・」 「嫌です!」 「へっ?」 「だって、私たちに相談せずに勝手に由佳里さんと出かけちゃったんですよ!後を付けない理由はありません!」 『私があの時シラを切っていればこんな事には・・・!』 内心、「しまった」と思うシラヌイ。自分の所為で優一に怪我をさせてしまったことに。 「兎にも角にも、ランチが済んだら・・・。否!今すぐにでも突撃です!!」 「あ、ちょっと!お姉様!!」 時既に遅し。どこにしまっていたのか、完全武装でアカツキは二人の元へ突貫していた。 「うん?ってえぇえ!?アカツキ!?なんでここに!?」 「マスタァアア!!覚悟ーーーー!!!」 「待て!!話せば判る!!」 「問答無用!!話す必要はありません!!!」 まるで何時ぞやに起きたクーデターを彷彿とさせるやり取りを交わしながら、数分ほど、一人と一体の一方的なドッグファイトが続いた。 ドッグファイトが終わって、悠一は肩で息をしながらアカツキ達に説明していた。 「ぜぇはっ、ぜぇはっ。だから、由佳里に誘われたって、言ってンだろ・・・!」 「だからと言って、隠し事をしていたことには変わらないじゃないですか!」 「あの・・・ごめんなさい、アカツキちゃん。私が、先輩を誘わなければ・・・・」 「そんな!由佳里さんが謝る事じゃ・・・。それに、悪いのはそれに鼻を伸ばして乗っかったマスターの方ですよ」 「だから、黙っていたのは悪かったって言ってるだろうが・・・」 「まあ、その位で良いんじゃないかな?彼にも事情が有ったって事で」 優一は内心「有り難い」と思ってしまった。八雲が間に入らなければ、延々と続いたであろう循環を止めてくれたことに。 「それはともかくとしておいて、久しぶりだな御名上。三年ぶりか?」 「ああ、二日前イギリスからね。本物のタワーブリッジはデカかった・・・」 「ミコトも連れているってことは・・・」 「そう!向こうでも、いや向こうだけでなく世界中で武装神姫は大人気さ!良い修行になったよ。・・・・・ヨーロッパチャンピオンには返り討ちにされたけど・・・」 「あれは別格だろ・・・。ともかく、今度一戦どうだ?留学に出るときは全然だったお前の腕前、どの程度か見たくなった」 「良いねぇ、それ。じゃあ、都合が付いたらすぐにでも連絡するよ」 「あいよ、またな。さてと、俺らも帰るとするかな?」 「マスター、まだ話は終わっていませんよ?」 「そ、そうだったな。はは・・・ははははは」 その後、優一が家路につくのは日も暮れかける時刻だったそうな。 その日の夜、優一達が寝静まった頃合いを見計らって、一つの影がムックリと起き上がると窓を開け、夜空へと飛び立って行った・・・。 第壱拾七話へ続く とっぷに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2416.html
人物 名前:高城・ミッシェル・千尋 13歳 性別:千尋 ニックネーム:総帥 一人称:私(わたし) 二人称:あなた、きみ 科学者レベル:マッドサイエンティスト 一応主役『高城・M・千尋』と略してよい ブカブカの白衣と大きなリボンが目印の、愛すべき総帥様 若年どころか幼年ながら数々の学問に精通し、博士号まで持っているという厨二病全開の設定があるちびっ子 性別の項目がおかしいのは、設定を考えているうちに作者がわからなくなってしまったせいである 「いっそ、性別不明で良いや」と考えてしまったが最後、後は読者の皆様の想像にお任せする 『ミッシェル・サイエンス』をたった一人で取り仕切る恐るべきお子様 神姫 名前:「本名は非公開だ」 戦車型ムルメルティア 階級:少佐 一人称:私(わたくし) 二人称:貴官(きかん)、貴様(きさま) 忠誠度:総帥の為なら死ねる 千尋の所持する神姫の一人『南十字隊』の頼れる隊長、コードネーム『α(アルファ)』 帽子や眼帯など戦車型の基本装備を身に着けているが、衣服はオリジナルの軍服に身を包んでいる 千尋は特別なバトルのとき以外は指示を出さないので、実質彼女が全ての指揮系統を担っている 千尋に絶対の忠誠を誓っており、危害を加えるものは容赦なく(人間、神姫関係なく)KILLするつもりでいる 身内以外に対する言動は非常に高圧的。ただし敵対の可能性がゼロになれば(口調こそ厳しいが)面倒見が良い、頼れる指揮官 名前:「非公開だ…例外なく、な」 砲台型フォートブラッグ 階級:大尉 一人称:自分(じぶん) 二人称:君(きみ)、お前 面倒事請負率:かなり高め 千尋の所持する神姫の一人『南十字隊』の寡黙な副長、コードネーム『β(ベータ)』 常にバイザーつきの砲撃用ヘルメットを目深に被り、表情がよく見えない 常に櫛や手鏡を持っているなど、実は一番女らしい性格だったりする 後輩への指導は主に彼女の仕事で、曹長と一等兵は彼女が指導した バトルは主にスナイパーキャノンによる精密狙撃とハウィッツァー(曲射榴弾砲)による広範囲爆撃を使い分ける 名前:「公表の予定は無いであります!」 火器型ゼルノグラード 階級:曹長 一人称:私(わたし) 二人称:あなた 語尾:~であります 千尋の所持する神姫の一人『南十字隊』の少々ズボラな突撃兵、コードネーム『γ(ガンマ)』 これといった特徴が無い、作者泣かせの困ったちゃん 十分なキャラ立ちができてないせいで、影が薄くなりがち が、語尾のせいで突然会話に参加してもわかりやすい バトルスタイルは後ろは気にせず突撃あるのみというものだが、なぜか生還率は隊の中でトップ 軍人気質…とは程遠いお気楽能天気の寝ぼすけ神姫 名前:「非公開にしろと言われてます」 戦闘機型飛鳥 階級:一等兵 一人称:わたし 二人称:~さん 癖:トリップ、大きな独り言 千尋の所持する神姫の一人『南十字隊』の想像力豊かな新兵、コードネーム『δ(デルタ)』 第一話、第二話と連続でメインを張っているが、主役ではない 外見的に特徴は無いのだが、トリップ癖とダダ漏れモノローグで起動から一週間という短い期間の内に強烈なキャラ立ちを果たした 初の空中戦力となるが、今のところバトル未参加なので実力は未知数 今後もエンジン全開で行ってもらいたい 名前:リュミエラ 兎型ヴァッフェバニー 階級:なし 一人称:あたし 二人称:~ちゃん、~くん ついやっちゃったこと:一等兵の拉致 千尋の所持する神姫の一人『特殊部隊』の狙撃、個人撃破担当、コードネーム『B(ビー)』 かわいいものが大好きで豪快なお姉さん 第二話での名前ばらしはわざとっぽい 好物は紅茶とお菓子 バトルは基本的に参加しないが、参加するときは本隊を陽動にして、孤立したものを狙撃するという非常に地味な戦闘スタイル もしくは、もっとも攻撃力の高い相手を誘き出す役目を担う かわいいものはどれだけ見てても飽きないようだ 名前:フェリシエナ イルカ型ヴァッフェドルフィン 階級:なし 一人称:私 二人称:個人名、知らない場合は呼ばない 悩み:豪快すぎる同僚 千尋の所持する神姫の一人『特殊部隊』の潜入工作、索敵担当、コードネーム『D(ディー)』 第二話でやたら喋っているが、本来は無口無表情 同僚のBによって本編中に本名が出てしまったために、キャラ紹介で非公開にできなかった 好みは和菓子に緑茶と、純和風 Bと同じく基本的にバトルは不参加だが、参加するときは潜入偵察と各種センサーによる索敵に徹する さらに必要があれば、拠点の破壊工作や罠の設置など、相手にとって地味な嫌がらせをする 自室の中と外で口数が極端に違う その他のキャラクター 砂木 丈助 34歳 性別:男 相棒:ルルコ(マオチャオ型) 一人称:俺 二人称:お前 相棒との関係:俺の嫁 『砂木探偵事務所』の所長、自称三十代半ばのナイスガイ 幅広いネットワークを駆使して『Forbidden Fruit』まで辿り着いたようだ 相棒のルルコに頭が上がらない ルルコ 猫型マオチャオ 相棒:ジョースケ 一人称:ルルコ 二人称:キミ 伏字:不使用 砂木の所持神姫…というより相棒、ファイル棚の奥も見逃さない 『Forbidden Fruit』の購入はこの娘の強い要望だったようだ 将来の夢は、冗談抜きで『お嫁さん』 企業紹介 ミッシェル・サイエンス 全十階建ての、中心街に立つには規模の小さいビル 千尋が経営している会社…会社と言っているが、働いている人間が一人しかいないため、実質自営業 どういうわけか国の営業許可が下りている 主な事業内容は、神姫のオリジナル武装開発と、神姫サイズの日用品や家電製品の製造販売 そのほかに、神姫用の特殊なボディも作っているが、こちらは発注を受けてから作り始めるオーダーメイド品。お値段も高額 さらに一般公開をしていない特殊なボディも作っているが、こちらは一体で豪邸が土地つきで買える値段になる 詳しい説明は下記を参照 秘密の地下室が存在しているらしい…… 製品紹介 素体 Michelle-001 unripe fruit (未熟な果物) ミッシェルの試作素体、専用コアパーツとのセットで提供 非常に軽く柔軟性に優れる反面、神姫素体としての基礎防御力がゼロに近いので、装甲を追加するなどの処置を取ってもバトルには不向き どうしてもバトルを行いたいのであればヴァーチャルによるものを推奨、なおかつ相当な熟練が必要(神姫、マスター共に) 非常に精密な技術で人間に『似せて』作ってあり、MMSの特徴である剥き出しの間接はなく、肌の質感はもちろん、神姫に必要の無いはずの生殖器まで精巧に作ってある パッと見ると1/10サイズの人間そのもの 食事が可能で、水分以外は体内で完全に分解できる 水分は発汗などで消費することができるが、貯蔵量を超えた場合は強制排出が必要 内臓器官や骨格は完全に再現できなかったため、『人造人間』とまではいかないが、「すでに神姫じゃない」と言っても反論の余地は無い さらに、思考も再現できなかったため、AIを純正のコアパーツからのトレースしている。 手持ちの神姫を当素体に移植することも可能 損傷、故障があっても神姫センター等での修復は不可能ですので、異常が発生した場合は当社まで連絡をしてください 武装は腕、足に換装が必要な装備と遠隔操作ユニット、大多数のリアユニットが装備できない 使用したいのであれば同社の本素体専用装備(別売り)を使用することになる 製作時にある程度ならば体系の変更が可能であり、注文の際にマスターの好みを聞いてから作り始めるオーダーメイド商品 制作期間は受注してから約二ヶ月かかる Michelle-002X forbidden fruit (禁断の果実) ミッシェルの特殊素体、専用コアパーツと衣服もセットで提供 Michelle-001の発展型であるが基本性能は同じである 最大の特徴は体のサイズが10倍だということであり、こちらは近付いても人間との区別がつかない 当然のことながら、神姫バトルに参加することはできない 見た目が人間そのものであっても、当然のことながら人間の医療機関で治療をすることができず、さらに神姫センター等で修理することもできない 異常のある場合は当社まで連絡をください こちらも製作時に体系の変更がある程度可能であり、注文の際に好みを聞いてから作り始めるオーダーメイド商品 製作期間は受注してから約四ヶ月かかる (※商品受け取りの際に質疑応答があることと、受け取り直後にデータチェックがあることを予めご了承ください) 神姫ヴァーチャルコミュニケーションシステム SVCS「にじり口の茶室」 人と神姫を同じスケールにして触れ合うシステム 専用ヘッドセットは全国の神姫ショップにて取り扱っている 神姫はクレイドルを介してシステムに接続、マスターは専用ヘッドセットを装着する事によってシステムに意識を転送する サイズは神姫側に合わせられるため、神姫とコミュニケーションをとる以外にも自身で武装の試用など、擬似的な神姫体験ができる ただし、かたや生身の人間、かたや武装を自在に操る武装神姫なので、パワーバランスは歴然としている システムに入る際は、自分の神姫との関係を一度見直してみる事 神姫との関係が悪いと、接続直後からボコボコにされることもあるかもしれない ……ちなみに、殴られるとちゃんと痛い 以下、話数が増え次第追加します 戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/104.html
第5話「白子とご主人様の戦闘準備」 「ご主人様にお願いがあります」 三人でのんびりくつろいでいたとき、白子が妙にかしこまって俺に声をかけた 「ん? なんだ? 改まって」 「実は私…。バトルに、参加してみたいんです!」 「ぎゃにぃい!?」 「し、白ちゃん!?」 まさか、こんな事を言うとは… 「黒ちゃんが毎日うなされてて、私たちにはどうすればいいのか分からない…」 「それは俺だって考えている。でも…」 「そんな、だって…。白ちゃんまで怖い目にあうこと無い!」 あわてて止めようとする俺達二人を白子はかぶりを振って静止する 「一杯、考えたんです。…私も、一度戦場に行ってみたら…何か分かるかも…」 白子が一瞬うつむくが、すぐに凛と顔を上げ 「もう、決めたんです」 その表情を見て、俺も黒子も、白子の説得は不可能だと察した しばし沈黙が流れ、やがて意を決したように 「ボクも、出る!」 「黒ちゃん!?」 「ボクが原因なのに、白ちゃんばっかりにやらせることなんてできない!」 俺は頭痛を感じたが、戦場の恐ろしさに立ち向かうことで黒子のトラウマも軽減されるかもしれない そう思えば、俺に出来ることはたくさんある 「タッグマッチの部門もある。二人ペアで参加するのがいいだろう」 「ご主人様…!」 白子がとがめるような声を出す。過保護な部分がある彼女は黒子を止めるべきだと考えているんだろう しかし、俺はそれを黙殺し、 「それと、二人に、新しい名前をつけてあげよう」 「ご主人様?」 「え? なんで?」 「せっかく試合に出ると決めたんだ。それなのに白子黒子じゃあまりにおざなりだろ?」 「あ、やっぱり自覚あったんですね…」 「じゃあ、ご主人様はボクが試合に出るのに賛成してくれるんだ!」 「ああ、いずれこういう日がくるかもと思って考えていた名前があるんだが、…マリンとアニタってのでどうだ? 白子がマリンで、黒子がアニタだ」 「マリンと、アニタ…ですか」 「いい名前です! 気に入りました!」 「そうか、気に入ってくれたか…。なら、お前達が史上最強の神姫として君臨できるような武装も用意せねばならんな…」 「は?」 「えっと?」 「クククク、待っていろ二人とも、俺が持つすべての技術を結集して究極の装備を開発して見せるぞ! フフフフフ、ハァーッハッハッハッハッ!」 「ご主人様!?」 「き、気を確かにしてください!」 なんか二人が心配していたが、俺は体中にやる気とアイデアが満ち溢れるのを感じていた ―――次の日の夜 「う~、ご主人様遅い…」 いつに無く落ち着きが無い白ちゃん…じゃなかったマリンちゃん 確かにちょっと遅いけど、まだ電車一つ分くらいしか遅れてない 「マリンちゃん…探しにいっちゃだめだよ」 ボクは面白くなって、ちょっと意地悪な声を出しちゃう それにマリンちゃんがぷぅ、と頬を膨らましてちょっと怒ったような声を出そうとした瞬間 バターーン! という、玄関を蹴り開けるような音が響き、 「ただいまぁ!!」 いつもと比べて異様にパワフルなご主人様の声が響く 昨日はひたすら紙にボクたち用武装ユニットの設計図を書きなぐって一晩明かし、 始発が動き始める時間には「早速上司を説得だ!」とか叫んで家を飛び出していったので非常に不安だったけど、一日中ハイテンションは続いたようだ 「マリン! アニタ! 所長を説得して、スポンサー契約を取り付けたぞ! これでうちの研究所が総力を上げてお前たちのバックアップを行う体制になった!」 急な展開に思わず呆れるボク。マリンちゃんは一瞬ふらついたが、すぐに気を取り直してご主人様に噛み付く 「何でいきなりそこまで話が大きくなってるんですか!?」 そんな言葉をご主人様は全く無視してまくし立てる 「二人のための武装も、マリンのは4日後、アニタのも8日でロールアウト予定だ」 完全新規設計の武装ユニットをたった4日で…。でも 「ボクのは後なの?」 「ああ、それだけでなく、マリンのはサード基準、アニタのはセカンド基準の出力になっているから、セカンド昇格まではマリン一人で戦ってもらう」 「ど、どうしてですか?」 「マリンちゃんだけ戦わせるなんて…!?」 「厳しいことだが、これはスポンサー契約の条件の一つだからどうにもならんことだ。ついでに3ヶ月以内にセカンドに昇格できなければスポンサー契約は打ち切られる」 「たったの?」 「一人でやるのに、それは短いよ!」 あまりに無茶な条件にボクは大声を出してしまう 「大丈夫、サードからセカンドに上がった最短レコードは1週間だ。まあ、シングルで、八百長試合の噂が耐えない奴だったが…。それに比べれば競技人口の少ないタッグなら3ヶ月くらいでいける、かもしれない」 「でも一人でなんて!」 「まって、アニタちゃん…。いいの、私やる。ご主人様が出来るって言ってるんだから、それを信じる」 「マリンちゃん…? だって戦うのって危ないんだよ! 怖いんだよ!」 「わかってる。でも、怖いものから逃げちゃ駄目なの。アニタちゃんもそれに立ち向かうって決めたんでしょ?」 「マリンちゃん…」 「大丈夫、サードはヴァーチャルが基本だから、危険は無い、はず」 無責任な事を言うご主人様 「ご主人様…!」 ボクは思わず咎めるような声を出してしまう。でもマリンちゃんはそれを制して 「アニタちゃん、ご主人様を信じられないの?」 「そうじゃないけど…!」 「そうだ、俺を信じろ。俺の何よりも誇れることは、技術力だ。この世の何よりもな」 そう力強く宣言するご主人様。ボクは長らく黙っていたけど 「…はい」 と頷くしかできなかった 「とりあえず、武装データは先行して完成させてきたから、これでヴァーチャルトレーニングできるぞ」 といって、押入れから訓練機を引っ張り出してくるご主人様。そんなの持ってたんですね… 「それと、これもだ。昔、知り合いの研ぎ師に遊び半分で作らせたものだが、本物の業物だ。これも信頼しろ。俺の次にな」 そういって取り出したのは二振りずつのナイフとマチェットだった。鈍く輝き、見るからに鋭そうな… 「これは…?」 「作ったのは俺じゃないが、設計自体は俺がした。製法も素材もこだわってあるから、硬度も切れ味も並じゃないぞ」 「ご主人様…、本当はボク達にバトルさせたかったの?」 「まあ、そういう気持ちも無くは無かったが、バトルにはあまり興味ないといわれて諦めていたよ」 そういって笑ったご主人様。いつも以上に生き生きしているように見えるけど気のせいだと思っておこう 「とりあえず、俺は出来る事をすべてやった。後はお前達に任せるよ」 「はーい!」 「ご期待に沿えるよう努力します!」 誤配送のときには感じなかった、ゆっくりと温まっていく高揚感。戦うのは怖いけど、ご主人様とマリンちゃんが一緒なら大丈夫 そんな気持ちがボクの心の奥底から湧き上がってくる。やっぱり、ボクも武装神姫なんだ… その夜、久しぶりに、ボクは悪夢を見なかった 続く
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2749.html
キズナのキセキ ~ エピローグ ~ □ 俺は今日も、ティアを連れて、ゲームセンター「ノーザンクロス」に来ている。 四月を半ばを過ぎた土曜日の午前中。 チームメイトはまだ来ていない。 高校生のメンバーは午前授業の日だし、大城はランキングバトル目当てだから、昼過ぎにならないと来ない。 新年度が始まって間もない頃だ。常連客もまばらで、ゲーセンの中はいつになく平穏だった。 菜々子さんと桐島あおいがバトルした日から、二週間が経つ。 菜々子さんは、いまだに顔を見せていない。 体調が悪いわけではないようだ。彼女の様子は、頼子さんからのメールで知っている。新学期が始まり、忙しくしているのは間違いない。 しかし、以前は忙しくても無理矢理時間を作ってまで顔を見せた彼女だ。あの日以来、ゲームセンターに来ない彼女を心配して、八重樫さんたち高校生メンバーが先日、久住邸を訪ねたらしい。 頼子さんが玄関先に出て言うには、 「もう少し時間がほしい」 とのことだった。 今はまだ心の整理がつかないということだ。 「……早く戻ってきてくれればいいのに」 八重樫さんたちは少し寂しそうにそう言った。 俺も大城も、菜々子さんが帰ってくるのを待っている。 だが、彼女が帰ってこられない原因の一端は、間違いなく俺にあった。 あの日、バトル終了後に警察が踏み込んできた。 その手引きをしたのは俺だった。 警察には離れたところで待機してもらい、バトルが終わってから踏み込む手はずになっていた。 バトルの勝敗に関わらず、『狂乱の聖女』は捕らえられる予定だった。 そこまでのお膳立てをする代わりに、現場でのリアルバトルと多少の無茶は目をつぶってもらえるよう、警視庁の地走刑事とは話を付けていた。 結果、任意同行ではあったが、桐島あおいは警察に連れて行かれた。 すべてが終わった後、そうする必要があったことは説明したが、菜々子さんにしてみれば、俺の裏切りに見えても仕方がない。 俺は言い訳しなかった。菜々子さんの落胆は痛いほど分かったが、慰めの言葉をかけることはできなかった。このときほど、自分の口下手を呪ったことはない。 その日以来、俺は時間を見つけては、できるだけゲームセンターに入り浸るようにしていた。 日々の状況をメールで菜々子さんに知らせる。以前、彼女が俺に、そうしてくれたように。 たまに短い返信が返って来ると、ほっとする。彼女との絆が断たれていないことを実感するのだ。 そして俺は待ち続ける。 彼女が来るのを待っている。 □ 「あっ……マスター……あの方は……」 先に気がついたのは、ティアだった。 俺は顔を上げる。今入ってきた客の姿を確認する。 一瞬、本人かと見間違えそうになる。だが、ティアの言うとおり、俺の待ち人だった。 その客は女性である。 軽やかな春物のワンピースとカーディガンを身まとい、清潔感のある大人の女性、といった佇まい。 帽子をかぶっていないせいもあってか、過去に見た印象をまるで違って見えた。 その女性が俺の視線に気づいたように、顔を上げた。 彼女は迷わずに俺の前までやって来る。 「遠野くん……ちょっと、いいかしら?」 涼やかなその声は、一度ならず聞いている。 俺は応える。 「やっと来てくれましたね……予想より遅くて心配しましたよ」 振り向かずにはいられないほどの美貌が目の前にある。少し緊張しながら、名前を呼んだ。 「……桐島さん」 俺の待ち人……桐島あおいは少し困ったような微笑みを浮かべ、肩をすくめた。 □ やかましいゲームセンターで立ち話も何なので、俺は行きつけのミスタードーナッツに桐島あおいさんを案内することにした。 甘いものは大丈夫かと訊くと、大好き、と笑顔と共に返事が来た。 マグダレーナと一緒だった時とは明らかに雰囲気が違う。不敵な笑みを湛えた、超然とした雰囲気はなく、人好きのする明るい雰囲気に入れ替わっている。こちらが桐島あおい本来の姿なのだろう。 店に着いて、ドーナツを取って席に座る。 店の奥、窓に近い席だ。俺が入り口が見える方に腰掛けると、桐島さんが向かいに座った。 「あの子が……マグダレーナがかばってくれたみたい」 桐島さんがそう話し始めた。 彼女が警察にいたのはバトルの日の夜までで、その後二回ほど警察に出頭して終わりになったという。 厳重注意されただけで、何のお咎めもなかった。 それというのも、マグダレーナのメモリから、桐島あおいに関する一切の情報が出てこなかったからだ。最凶神姫から直接的な手がかりが出てこなかったため、証拠不十分として注意だけで終わったらしい。 もっとも、マグダレーナのメモリから桐島さんの記録が出てきたとしても、大きな罪には問われないだろうとは予想していた。 裏バトルに出入りして、賭博に関わっていたことは事実としても、証人の方も裏バトルの運営者や、裏バトルに参加するマスターや観客だから、桐島さんの証言をすれば、やぶへびになりかねない。 また、警察が今回の件でターゲットにしていたのは桐島さんではなく、マグダレーナだ。彼女はどちらかと言えば、重要参考人だった。 だから、警察が掴んでいる以上の罪には問われないと思っていた。 それにしても、マグダレーナが警察の調査の前に、桐島さんの記録を消したというのは、どのような心境の変化だったのだろうか。 「マグダレーナも……桐島さんとの絆を自覚した、ということでしょうか?」 テーブルに座っているティアが言う。 俺と桐島さんは小さく頭を振った。今となっては想像の域を出ない。真意を知っているのはマグダレーナだけだ。 だが俺も、ティアと同じように……マグダレーナが最後には、人間との絆を信じるに至ったと、思いたい。 「それに、世の中はそれどころじゃないものね」 桐島さんが苦笑しながら言うのに、俺は真顔で頷く。 そう、今、世間はそれどころではない。 マグダレーナの記録から、亀丸重工によるMMSの軍事研究利用が明るみになったのだ。 日本有数の大手企業によるMMS国際憲章違反。丸亀重工には、先日、強制捜査が入る事態にまで発展していた。 この事件は連日報道されている。警察は蜂の巣をつついたような騒ぎになっているはずだ。 先日、バトルの現場を押さえた警察の真の目的がこれである。 亀丸重工よりも先にマグダレーナを確保し、亀丸のMMS不正利用を暴き出す。それは見事に成功した。 また、桐島さんとマグダレーナが救い出して保管していた神姫たちも、彼女たちのアジトだった廃倉庫から発見された。 百体近い神姫の保護は前代未聞だ。しかも、いずれも人間のマスターによって虐げられてきた神姫ばかりである。 警察のMMS犯罪担当は、普段でも全然手が足りていない。そこへこの大規模事件に大量の神姫の保護である。裏バトルの参加容疑者一人にかまってはいられない状況だった。 今の状況を改めて整理してみて、思う。 マグダレーナは、彼女が望んだ方法ではなかったにせよ、結局は彼女自身の復讐を果たしたのではないか。 マグダレーナ自身が犠牲になることをきっかけに、恨みのあった企業にダメージを与え、研究を停止させて仲間を救い、さらに人間たちに虐げられていた神姫たちを数多く救った。 それは紛れもない事実なのだ。 「その後はどうしていたんです?」 「祖父母のところに戻って、いろいろ話したり。祖父母はずっと放任だったのにね……警察に世話になって、病院で検査して……なんてことしてたら、怒られるやら、心配されるやら、泣かれるやら……不思議よね」 桐島さんが、肩をすくめて苦笑する。 それが桐島さんの家族の絆だということなのだろう。血のつながりはそう簡単に断てるものではないのだ。俺はふと、頼子さんと、自分の父親のことを思い浮かべていた。 「それから、心療内科に検査に通ったわ。長い間、マグダレーナの催眠術を受けていたから、念のために」 「結果はどうでした?」 「まあ、深刻な影響は出てないみたい。でも……結局のところ、どこまでが自分の意志で、どこまでがマグダレーナの操作だったのか……いまとなっては、わたしにも分からないの」 桐島さんはうつむき、苦渋の表情を浮かべながら、続けた。 「菜々子には悪いことをしたわ。後悔している。あの子から、ミスティを奪うなんて……どうかしていたと、今になって思う。 でも、あのときの気持ちは……はっきりしないの。マグダレーナの意志なのか、自ら望んだことなのか……今となっては分からない。 もしかしたら、もう後戻りできない自分を止めてもらいたかったのかも知れない」 後戻りできないように未練となる妹分と戦ったと思っていたが、実際には逆だったのか。 二度の敗北を喫してもなお、菜々子さんは立ち上がり、そして勝利した。 かつて桐島さんが語った「理想の神姫マスター」となった菜々子さんが、かつて菜々子さんが「アイスドール」と呼ばれた時の思想を極めた桐島さんを倒した……そして桐島さんは、心のどこかでそうなることを望んでいた……なんとも皮肉な話だ。 そう言えば、桐島さんの暴走を止めたいと願う人が、もう一人いたことを思い出す。 「……姐さんには会いましたか?」 「姐さん……? だれ?」 「M市のゲームセンターで働いてる、バイトの姐さんですよ」 「ああ……」 「あの人も心配していましたよ、桐島さんのことを。一度会って、無事を伝えた方がいいと思います」 「っていうか、あんなとこまで行って、調べたの?」 ちょっと睨みながら、それでも口元には笑みを浮かべて、桐島さんが小さく抗議する。 その表情がどこか菜々子さんを彷彿とさせて、なるほど姉妹なのだなと、妙なところで納得した。 俺はその抗議をどこ吹く風と受け流しながら、コーヒーのカップを口に運ぶ。 よくやるわね、と桐島さんは肩をすくめ、一段落したら姐さんに会いに行くと約束してくれた。 「それで……これから、どうするんです?」 俺の問いに、桐島さんは自嘲するように笑った。 「……もう武装神姫はやめるわ。あの子にも、もう会わない。それがわたしの、せめてもの償いでしょうから……ね。 今日はそれを言いに来たのよ。あの子に……菜々子に会えなければ、もうそれっきりのつもりで……」 「……」 「だから、遠野くん、菜々子に伝えてくれる? もうわたしのことは忘れて、あの子の望む道を行きなさいって……」 「駄目です」 俺は彼女の言葉を即座に否定した。 少し目を見開いて驚いた桐島さんに、俺は真顔で続ける。 「菜々子さんに償うというなら、あなたは武装神姫を続けなくては駄目だ。それが菜々子さんの望む道だ。あなたがここでやめてしまえば、彼女の今までの苦労がすべて無駄になってしまう。それは俺が許さない」 「でも……」 「それに、ルミナスもマグダレーナも……あなたの神姫たちは決してそんなことを望んではいない。新たな神姫を手にして、絆を育む。それこそが、彼女たちが本当に望んだことでしょう」 だからこそ、マグダレーナは自らの記録から桐島さんを抹消し、彼女を守ろうとしたのだ。俺はそう信じている。 桐島さんは、深いため息を一つついた。 「厳しいわね、遠野くんは……そして優しい」 「優しくはないです。……俺の言うことなんて、誰かを追いつめてばかりだ」 俺がもっとうまく話ができたなら、もっとうまく立ち回ることができたなら、誰も傷つけずに解決できたかも知れない。いつも、そう思う。 「それに、俺は菜々子さんのためだけに動いています。彼女のためなら、厳しいことなんていくらでも言いますよ」 「菜々子が好きなのね?」 「……一応、恋人なので。 それに……菜々子さんはかけがえのない恩人です。 俺が絶望しているときに、手を差し伸べてくれたのは、彼女だった。 あなたが、絶望の淵にいた菜々子さんに、手を差し伸べたように」 「……」 「彼女の気持ちはよく分かる……だから、こんなメールも送ります」 俺は桐島さんに携帯端末の画面を向けた。 彼女の眼が大きく見開かれ、顔色を失った。 「このメール……いつの間に打ったの?」 「この店に来る道すがら」 ドーナツ屋に案内しながら、桐島さんに背を向けていた俺は、自分の身体をブラインドにして、素早くメールを打ち、送信していた。 タイトルだけの短いメール。 『いますぐドーナツやにきて』 相手先にはそれだけで用件が伝わると確信している。 桐島さんが驚きのあまり腰を浮かせた。 俺は彼女の肩越し、今し方入ってきた客に視線を向けながら、言う。 「逃げられませんよ?」 息を切らして入ってきたその客は女性。 ショートカットの髪。春物のブラウスに、細いパンツという出で立ち。肩に神姫を乗せている。 どうやらメールを見て、急いで来てくれたらしい。ベストタイミングだ。 俺と視線が合う。 すると、まっすぐにこちらにやってきた。 「貴樹くん……!」 確信は現実になった。 俺は彼女に小さく手を挙げたのみ。もはや何を語ることもない。俺の役目はここで終わりだ。 メールの宛先……久住菜々子さんは、桐島さんの真後ろまで迫っている。 菜々子さんが、ぴたりと歩みを止めた。 「……あおい……おねえさま……?」 おそるおそるその名を口にする。何ともいえない表情が、彼女の複雑な心の内を物語っている。 桐島さんも、負けず劣らず複雑な表情をしていた。驚き、苦渋、そして慈愛。いくつもの感情が彼女の表情を行き過ぎる。 だがそれでも、大きな吐息一つで心を整えたようだ。視線をあげた桐島さんの瞳には、覚悟の色が見て取れた。肩をすくめて薄く笑う。 そして、俺にしか聞こえない声で、言った。 「ありがとう、遠野くん」 俺は小さく頭を横に振った。 桐島さんは立ち上がり、振り向く。 「菜々子……」 菜々子さんは動けずにいる。 一瞬の沈黙。 二人の間に万感の思いがよぎる。 今にも泣き出しそうな、菜々子さんの顔。 ふと、桐島さんが微笑んだ。作り物でない、本当の笑みは、とんでもなく魅力的だった。 そして、今一度、愛しい妹分の名を呼ぶ。 「菜々子……!」 「……お姉さまっ!!」 菜々子さんが、桐島さんの腕の中に飛び込む。しっかり抱き合う。 ようやく菜々子さんは分かったのだ。出会った頃と同じ、本当の桐島あおいが戻ってきたことに。 桐島さんは優しく微笑んでいる。 菜々子さんの閉じた瞳の端に、光るものがにじんでいる。 二人の間に言葉はない。 だが、離れていた二つの螺旋は、ようやくここに同じ方を向いて重なった。 菜々子さんの肩にいた神姫が、こちらのテーブルの上に飛び降りてきた。 「ティア!」 「ミスティ……!」 二人の神姫も、抱き合って再会を喜ぶ。二人の間にあったわだかまりも、もはや遠い。 ミスティは自分のマスターを見上げ、眩しい笑顔になった。ティアも明るく笑っている。 店の中が少しどよめいている。 店員も他の客も、何事かとこちらを見ている。 菜々子さんと桐島さんは抱き合ったままである。 だが、俺は彼女たちに声をかけることはしなかった。 周りの目など気にする必要もない。 なぜなら、二人は様々な困難を乗り越え、二年もの時を越えて、ようやく真の再会を果たしたのだから。 しかし、すべての事情を知る俺が、その様子をじろじろと見ているのは、あまりに無粋というものだろう。 だから俺は、そっと、目を閉じた。 (キズナのキセキ・おわり) Topに戻る>
https://w.atwiki.jp/battleconductor/pages/94.html
は ま や ら わ 英 数 用語集 (は~わ・英・数) は [部分編集] バッカル マリーセレスのリアである、「アーク・E・トゥージス[A]+ハフ・グーファ」を装備することで使用可能なアクティブスキル。 大量の弾を敵に向けてバラまく。公式曰く、「当たればでかく、逆転できるロマンスキル」。 だがロマンスキルというだけあって、誘導がかなり弱い。具体的には横に歩いただけで簡単に弾が神姫の横をすり抜けるレベル。 一方硬直狩りに使うなら、非常に高い打点を「レーザー」などより安定して、タイミングさえ合えば確実に当てることが出来る。そのため、「体力回復」や「ゴールデンエンジェル」等モーション付きのスキル対策、あるいはスキル時に敵味方の神姫が動かないAIタッグバトルでの火力源として使われている。 この場合、アセンはバッカル無しでも戦える程度までチューニングする形が人気。体力回復を使えばバッカルを当てられ、使わなければそのまま倒されるという二択を押し付けられるからである。 なおバッカル時の硬直に対してもバッカルを当てることが出来るため、バッカルを持つプレイヤーが同時に二人以上居るならどちらがバッカルを後出しするかというバッカルメンコチキンレースが始まる。 バニーガール武装 卯年の2023 1/1に実装された武装。網タイツとスーツの質感が艶かしさを醸し出している。 バニートレーはクリティカルとブーストゲージの回復が秀でた投擲武器、マスクステータスは優秀だが、遅い弾速と短めの射程、適正神姫の数に難があるカテゴリである為、人は選ぶか。 防具はヘッドのバニー耳、ボディ・レッグ・アームの一式のスーツ、リアのしっぽの三ヶ所で構成されている。 性能的は若干ダッシュスピードが早く、かつCHAが高めなのでスキルを用いた運用では非常に心強い。但し、若干ジェム攻撃力は下がってしまうので一式で運用する際は注意が必要。とはいえ総合的に見てもとてもバランスがよいので武器と比べるとかなり実用性が高い。 レイドボスバトル(第八回)では、レイドボスのバニーミラージュから赤いバニー耳とスーツ、金色のバニートレー(と、ついでに通常版と同じ仕様の尻尾)を手に入れる事が出来る。 バリステ、バリブレ アーティルの攻撃リア装備、バリスティックブレイズ[RW]の事。人によって略称のブレはあるが同義。 コンボ前提になるが発射数2発×2の高速でそこそこ威力の高いホーミングミサイルを放てるので、レイドボスバトルにおいてはWAVE1~2の雑魚散らしに甚だ有効。アセンさえしっかりしていればボスにも有効打を与えられる。 そうした事から(発射軌道の癖の強さと度重なる(レイドでの)ナーフにもかかわらず)、今でも愛用しているマスターは多い。 勿論ジェムバトルでも厄介で、中距離で足を止めようものならミサイルの雨が降ってくるので中々曲者。誘導の限界で近距離は安置なので、遠距離+このRW持ちと対峙した場合さっさと距離を詰めよう。 バレンタイン武装(2021) 2021年バレンタイン期間限定武装。 「バレンタインツインドリル」「バレンタインスーツ」「バレンタインパフスリーブ」「バレンタインシューズ」「チョコペン銃(両手ライトガン)」。 スキルゲージが溜まりやすくなったりジェム回収の展開速度が上がる等、マスクステータス面は優秀なものの稼動初期のイベント武装だけに目に見える数値面では控えめなスペックで、後から出てきたホワイトデー武装の陰に隠れてしまったが、2022年期間限定復刻時以降は対バグ補正が追加されている模様。 …だったのだが、どういう訳かレイドボスバトル(第六回)においては、他のイベント武装にプラス補正が付いたのとは対照的に下方されてしまった(これはバレンタインクラシックも同様。他に下方されたのは15th装備のアーンヴァル側くらい)。 バレンタイン武装(2022) 正式名称「バレンタインクラシック武装」。 2022年バレンタイン期間限定武装で「バレンタインキャンディツイン」「バレンタインクラシックスーツ」「バレンタインクラシックパフスリーブ」「バレンタインクラシックスカート+バレンタインクラシックシューズ」「バレンタインクラシックシューズ」からなる。 チョコレート色の、ウェイトレス服かメイド服を思わせるロングスカートが中心となるコーディネート。ダッシュスピードが若干速くなり、スキルチャージ・ジェム回収展開速度が上がる。対バグ補正を持つと明言されている……が、第六回では削除された。 頭と足の装備で発動できるスキル「私のチョコだけ受け取って!」は、自分以外のダッシュ・ジャンプ速度を大きく下げることができる。 周りのステータスを下げてこちらが追いやすい/逃げやすい状況を作るという点では「攻撃スピードダウン」に近い性能を持つが、発動モーションがある代わりに素の機動力で劣る相手への追いつきやすさはこちらの方に分がある。 武器はないが、前年度及び復刻のチョコペン銃が適切か。 なお、スカート+シューズ武装とシューズ武装は排他関係にある。RW装備を重視したい場合は後者で。 余談だがバレンタインシリーズのシューズで唯一クラシックのみガーターにナイフ(護身用?)が仕込んである。スカート付きだと分かりづらいがシューズ単品だと一目瞭然。セクハラが過ぎると投擲される…かも? バレンタイン武装(2023) 2023年バレンタイン期間限定武装。 「ビターパンクハートヘア」「ビターパンクハートヘア・オリジナル」「ビターパンクスーツ」「ビターパンクアーム」「ビターパンクブーツ」「ビターパンクスカート」。 どちらかといえばガーリー寄りの可愛さが追求されてきたバレンタイン武装シリーズだったが、今回はデザイン面でパンクな方向へとシフトしている。 性能は他神姫撃破時のオートジェム回収機能がある事をはじめジェムバトル寄りだが、スカートの半分がレザーバンド仕立てとなっているため“見える”のが最大のポイント。 ジェムバトルに持ち込むなら高火力射撃と相性が良いかもしれない。 なお実装当初武器は含まれていなかったが、ホワイトデー武装(2023)の実装時にこの武装と適合する色のネジバットが改めて実装されている。 ハロウィン武装(2021) ハロウィンイベント(2021年10月11日10 00~同11月1日10 00)限定配布武装。 マジカル★パンプキンヘッド3種類(Pink、Blue、Green)からなり、いずれも有用なアクティブスキルを持っている。こちらも参照。 某閃光のハサウェイの余韻冷めやらぬ時期に実装されたため、そちらにちなんで偽マフティー呼ばわりされることも。 ハロウィン武装(2022) 2022年のハロウィン(10月31日10 00 ~2022年11月21日9:59)限定配布武装。「まじょっこ」衣装はLP及びDEX高め、状態異常補正に微量のブースト回復と、全体的に耐久に振った性能。 武器は3発誘導弾を放ち、ダメージ系アクティブスキル付きの片手ライトガン「キャンドルロッド」。こちらもホワイトデー(2022)武装と同様、「ハロウィン武装に武器が存在しない問題」を解決している。 更に死神の鎌や前年のマジカル★パンプキンヘッド各色を持っていれば、それらしいコーデで楽しめる事だろう。 偶然なのかもしれないがこの時期に注目を浴びたアニメは昨年の偽マフティーと同じあのロボットアニメシリーズかつ名前は「水星の魔女」である。 ハロウィン武装(2023) 2023年のハロウィン(10月16日10 00~11月6日10 00)限定配布武装。前年の「まじょっこ」衣装のカラーバリエーションでDEFとCHAに振ったピンク、DEXに振ったブルー、ATKと近接耐性に振ったグリーンの三色。 武器はそれぞれの色の「パンプキンハンマー(両手打撃武器)」。 時を同じくして前年及び前々年のハロウィン武装も復刻されているので、全部集めるのはとても大変。 環境では「まじょっこ」ブルーの低レアが、ジェム自動会収能力の高さから大暴れしている。 武装貴族 ぶそうきぞく。e-passカードを作る時に設定する事が出来るが、どういった人々なのだろうか? 謎は尽きない……。 武装淑女 ぶそうしゅくじょ。武装神姫の女性マスターの通称。 これも、e-passカードを作る時に設定する事が出来る。 武装紳士 ぶそうしんし。武装神姫の男性マスターの通称で、一番良く知られる。 勿論これも、e-passカードを作る時設定する事が出来る。 ただ、ここで勘違いしてはならない点は、武装紳士といっても必ずしもその全てが「紳士」であるとは限らないという事。 本来はあってはならない事のはずだが、武装神姫界隈にも「紳士」の風上にも置けないような振る舞いをする者は数多い。派閥作りからの神姫関連商品の買い占めや転売行為、揚げ足の取り合いや蹴落としあい、誹謗中傷などがこれにあたる。 そして対戦ゲームである以上、残念ながら本作のマスター層もこうした悪しき風潮と、決して無縁とは言えないのだ… だからこそ「紳士」とは自ら名乗るのではなく、その品格を持って人から呼ばれて初めて得られる称号なのだという事を心に刻みたい。 その意味で、アニメ版の理人さんは立派な武装紳士といえよう。 ヘイト管理 現在のジェム数・スキル・次の神姫から、自分がどれほど狙われやすいかを把握し、ジェム回収量や相手との距離を調整すること。 基本的に、終盤順位が高いプレイヤーやガンガン攻撃するプレイヤー、戦場に近いプレイヤー、強力なスキルを持っているプレイヤーが、よく狙われる傾向にある。 最終的にアクティブスキルで逆転したい場合は、こちらのスキルで逆転可能な範囲のジェム数差で2位以下に付くようにすると、ヘイトを抑えて上手く逆転する準備ができる。 自分の編成では倒しにくい神姫がいる場合、そちらに高い順位を取ってもらって他のプレイヤーに倒してもらう……という風に応用することも出来る。 また敢えて棒立ち無抵抗になるなどでヘイトを高め、順番調整を試みる場合もある。 ホワイトデー武装(2021) 2021年ホワイトデー期間限定武装(2022年にも期間限定で復刻)。別名「バレンタイン武装リペイントVer」。 その名の通りバレンタイン武装のカラーバリエーションでブルーとグリーンの2種類が存在するが、数値上の性能的にはオリジナルを総じて上回る。 但し、マスクステータスでは青はスキルゲージの溜まりアップが削除、緑は若干とはいえジェム回収展開速度が下がるペナルティが付与されてる為一長一短か。 対バグ補正についてはバレンタイン装備同様付与されている。 ホワイトデー武装(2022) 2022年ホワイトデー期間限定武装。基本的にはバレンタインクラシック武装のリペイント版(青・緑)だが、髪飾り「ホワイトデードーナツツイン」にはピンクカラーが追加されて3種類になっている(キャンディツインまたはツインドリルと、どれを選ぶかはお好みで)。 頭と足の装備で使えるアクティブスキル「お返しは私だけ!」は、「私のチョコだけ受け取って!」のデバフ効果をターゲットしている神姫にのみ掛かるようにしたもの。 特定の一人を全員で倒さないといけない局面なら、ターゲット以外の神姫の機動力はそのままなのでより強い効果を発揮できるだろう。 一方自分が逃げ切る局面だと一人にしか効果を及ぼせない+発動モーションがあるのでイマイチ。攻めきるためのスキルと割り切ろう。 また、「キャンディハンマー(両手打撃武器)」が武器として追加された。こちらにも青・緑の他ピンクが追加されており、バレンタインクラシック武装の「武器が存在しない」という問題を補完している。こちらのアクティブスキルは全方位攻撃。 ホワイトデー武装(2023) 2023年ホワイトデー期間限定武装。 基本的にはバレンタイン武装(2023)のリペイント版(青・緑)で、ジェムバトル寄りの性能も“見える”事もそのまま。名前は原典の「ビター」を「スイート」に変更している。 ただし、こちらは撃破時ではなく攻撃命中時に自動回収(青・緑共通)である為、より汎用性が高い。この効果は複数箇所装備すればより高くなるが、この武装シリーズ自体ジェム攻撃力に少しマイナス補正があるので、装備しすぎると却ってジェムが取れなくなるという罠がある。 よって、一式装備せずに1~2箇所くらいで抑えるといいかもしれない。 更に、釘ならぬ「ネジバット」が武器として追加。こちらはジェム自動回収能力はないものの、レアリティごとに色が異なる変則的バリエーションモデルとなっており、バレンタイン武装(2023)のカラーも含まれている。 ま [部分編集] 捲り ジェムバトルの勝ち方のうち、逆転されないようなタイミングに(特に攻撃・強化スキルで)ジェム数を変動させ、そのままゲーム終了を迎えるものの総称。 この勝ち方をしたいのなら、最後の神姫出撃時間〜スキルを使うギリギリの時間まで、自分チームは2位以下かつスキル1発で1位を追い越せるようなジェム数になるようジェム回収量を調整しよう。 まこしら ミズキの片手斬撃武器「忍刃刀"風花"(金)」とレッグ「忍脚絆"白鳳"」を装備することで発動できるアクティブスキル、「秘剣・真白拍子」のこと。 攻撃内容は目の前を一段攻撃で斬りつけるシンプルなもの。威力もかなり低いのだが、最大の特徴は恐ろしく早い発生。 スキル発動の表示が出るか出ないかのタイミングで判定が出るため、基本見てからだと対処が間に合わない。この特性から、特に初見殺しとして強く働く。 判定自体も横方向には神姫2〜3体分ほどあるので、格闘戦中の他プレイヤーをまとめて巻き込むことも出来る。 欠点は突進距離の短さと威力の低さ、また武器自体のスキル回収率の低さ。神姫1〜2人分しか踏み込まないので、近寄らないと打ちにくい。また威力が低いので、相手を撃破して撃破時の放出ジェムを回収しないと一発辺り4〜500ジェムしか稼げないこともザラ。装備と出撃順を工夫しないと低レアリティならろくに打てないこともある。 対策としては、まこしらを持っているプレイヤーがいるときはあまり密集しない(ジェムを一人占めしやすい状況を作らない)、打つことを読んで事前にガードしておく、体力に余裕のある状況で詰めてまこしらを吐かせる、まこしらで誰かが撃破される状況を作らないなどがある。 ちなみに「武装神姫BATTLE RONDO」では、長めの貯めの後踏み込み3回斬りつけるというアクションだった。 ちなみに上の記述は2回下方修正がなされたあとの話。元々は攻撃力も高く、武器のスキル回収率も高かった。 2022/08/03に3度目の下方修正をされた。巻き込みの範囲が狭くなり、攻撃力と武器自体のジェム攻撃力が低下。一人に当てただけだと150ジェム程度しか回収できなくなり、また慣性移動で飛び込んでスキルを当てることが難しくなった。 水着シリーズ グリアロ・シリーズから派生した、どこからどう見ても水着。 2020年夏実装の「悪魔の黒ビキニ」「天使の白ビキニ」に始まり、2021年夏には「キューティドットフリルビキニ」「キューティフリルビキニ」「スポーティストライプビキニ」「スポーティビキニ」「セクシークロスワンピース」「プリティフリルワンピース」、更にアニメ版から主役級神姫4人が着た水着がそれぞれ実装された。アームとレッグは同時期に実装されたネイキッドが良く似合う。レッグはグリムアロエの靴も良いだろう。 特筆すべきは、アニメ版"ヒナの水着"の派生版である「○○の水着」。なんとニックネーム(デフォルトなら神姫名)が胸に印字される紳士仕様。更にbodyサイズも反映される(オリジナルはヒナのbodyサイズ準拠) なお、日焼け肌になれるビキニ3種はミラージュ武装にあたる。 ミラージュ武装 レイドボスバトルにおいて、ミラージュ・シリーズを撃破するとドロップする武装の事。いずれも強力だが癖が強い。 公式曰く「ミラージュではないので本来の力は発揮出来ない(要約)」と公言されている。 + ジャンルとしてかなり巨大化したため、ここに折り畳む。 レイドボスバトル(第三回)にて2022/3/9より武器のみ実装されたのが最初。[W(ホワイト)]と[B(ブラック)]の二色で各色のミラージュを撃破すると対応した色の武装をドロップする。始めから出しとけよというツッコミは野暮か… リューベック・シュタインは一見太い槍に見えそうだがこん棒(両手打撃武器)である。こちらはアクティブスキルが[B]で両手打撃で唯一攻撃スピードアップが使える位で、大して特別感もなくごくごく普通で全方位攻撃が使えるキャンディハンマーの方が個性が立っている…と思われていたのだが、 お散歩モード実装による研究において白の場合NとR、黒の場合SRとURが見た目に反して叩きつけにインチキめいた広い横方向への攻撃判定が存在している事が判明。 ジェムバトルやレイドのWAVE1〜2では思わぬ巻き込みを狙えるポテンシャル自体はある様だ。 注目すべきはFB256 1.2mm滑腔砲二挺。元々は腰持ちヘビーガンである物を二挺持ちするという見た目のインパクトも凄いがなんとこの武装、[W]は元武装に同じく爆風が付き、[B]はボレアスよろしくレーザーが放てる。威力は流石に双ライトガン相応に抑えられているがどちらも元々は隙の大きい武装なので、それを双ライトガンのモーションで撃てるのは唯一無二であり、射程もボーンスナイパーライフル程度あるので、活かせれば強い。 但し、装弾数が4しかないのとリロードが他双ライトガンより若干遅いので注意。 第四回ではホワイトミラージュに代わって登場したナイトミラージュから「バルムンク(夜)」「ケイローン(夜)」のどちらかがドロップ(特に後者は本来プロキシマの装備であるため、彼女の参戦フラグとも推察されるが…)。 更に2022/06/08のアプデで「ナイトマント」が追加された。 ちなみにブラックミラージュは引き続き登場するため、第三回での“入手激渋問題”は解消されている。 第五回では新たに登場したサマーミラージュから、多彩な武装がドロップするようになっている。必見はピンク・青・緑と3種ある水着で、装備すると日焼け肌になるおまけ付き。 しかし、そもそもこのサマーミラージュ自体が前回のナイトミラージュ同様レア枠な上、全体的にコンテナの出現率が渋くなったため、装備集めがより苦行となってしまった(通常枠になったナイトミラージュのドロップが楽になったのは、せめてもの幸いか)。 第六回では実装当初はホワイト&ブラックミラージュ、アプデ後はサマーミラージュの装備を入手できるようになったが、他のレイドボスとの兼ね合い上出現率がどうしても低くなるため、特にサマーミラージュのドロップ品集めについては相変わらず苦行のままである。 第七回では新たにオータムミラージュが登場。これまた体操服装備をはじめ多彩な装備をドロップするので全部網羅するのは大変。 更にサマーミラージュがレア枠で続投となったはいいものの、こちらも相変わらずの苦行っぷりだったりする。 第八回に登場したバニーミラージュは、2023年正月のバニー武装のカラバリをドロップする(バニーガール武装を参照)。このミラージュ自体かなり煩わしい相手であり、苦行ぶりも健在。 第九回に登場したフレッシュミラージュは、春めいたワンピースとパラソルを中心にした武装を落とす。こちらも最初からなかなかの苦行ぶりだったが、2023/06/12のアプデで更にPink Ver.が追加されて苦行ぶりに拍車が掛かっている。 なお、ミラージュではないが第十回(復刻)に登場した大型バグ・オメガは、フレッシュ装備のYellow(前半)及びBlue Ver.(後半)を落とすが、もう一方のボスである闇神姫ばかりが出るような事もあったりするので、集めるのはやっぱり大変。 愛で専 公式による特定のプレーヤー層への呼称。字面から(神姫を)愛でる専門のマスター達と推測される。 武装変更によるコスチュームの着せ替えを楽しんだり、神姫ハウスでセクハラコミュニケーションを楽しんだり。フォト機能でお気に入りのショットを撮ったり…と、何もバトルで勝つばかりが全てではない。 神姫を扱うゲームの性質上、こういう楽しみ方もあるのである。 や [部分編集] 浴衣アーマー 2022年夏季限定武装。全身装備の「ゆかたアーマー」4種(爽・涼・葵・雅)と対応するヘッド装備「髪飾り」、片手斬撃武器「バトコンうちわ」3色からなる。 モーションにより浴衣の柄が著しく伸びる事もあるが、気にしてはいけない。 ちなみに「ゆかたアーマー」各種は、嘗てワンダーフェスティバル2010[冬]の折、実神姫用として公式販売されたもの(うちわと下駄も付属するが、塗装などの作業が必須となる。今ならバトコンうちわを作れるかも!?)。 横吸い 他のプレイヤー同士が争っている所に向けてジェム回収を行い、被弾・被撃破で放出されたジェムを他のプレイヤーに回収される前に回収する技術・戦術。 この戦術の強いところは、他プレイヤーに攻撃のリスクを一方的に背負わせて、自分はジェムを回収し勝ちに近づくことが出来る点。 CPU相手にこの戦術を取ってみると分かりやすい。他CPUの被撃破表示がどんどん出るにもかかわらず、自分の神姫はノーダメージで首位になることが出来る。 近接武器でも横吸いは出来るが、ある程度近づく必要があるため被弾リスクの軽減幅が小さい。一方、回収範囲が円形のため、近距離で横吸いした際のジェム回収量は射撃と比べてかなり大きい。 射撃武器は距離をおいてジェムを回収することが出来るため、こちらが攻められても時間を稼ぎやすい。しかし回収範囲が扇形のため、横吸いで回収できる量に関しては近接に劣りがち。 横吸い自体はどんな武器・編成でも行えるが、横吸いに特化した編成にすることも出来る。そうした場合の難点は、直接戦闘力に欠けるため徹底してロックオンされるか、それでなくても他プレイヤーに戦闘を控えられるとジェム回収能力が大きく落ちるところ。 N×3の編成は横吸いに重点を置いている可能性が高いので、相手取る時はある程度意識しておこう。 ら [部分編集] 零神 本来は「れいじん」と読む。しかし実装当時からプレイヤー間では「ぜろしん」と読ばれ、運営も「れいしん」と言ったりと、中々本来の名前で呼んでもらえない。 スカイガールズとのコラボイベント(2021.2/1~2021.3/31)中に配布された武器。 その実態はかなり特殊で、装備するとヘッドパーツから武器まで全て専用の武装に置き換わるというもの。これを装備中に他の武装を装備することはできないと、実装から現在までここまで大掛かりな武装はステクロ武装程度。 かなり特殊な武装が、近接タイプと遠距離タイプの二種類同時実装されたが、めでたくそのどちらも実装初日から環境トップを飾ったが、その後のひと騒動を経て現在はすっかり影が薄くなっている。 + その経緯はこちら まず零神本体の性能だが、まず圧倒的ダッシュスピードが挙げられる。空中を飛べば他の飛行リアの二倍近いスピードを叩き出す。現在はこれと同等かそれ以上のスピードは念入りに準備すれば出せるが、稼動して二ヶ月ちょっとのゲームバランスでこのスピードを武器一つ装備するだけで出せるんだから当然零神以外置いてけぼりになった。 機動力以外のステータスも優秀で、今でこそインフレによって相対的に平均クラスに落ちてしまったが、実装当時は(以下略) 肝心の武器も優秀で、まず近接タイプのMVソードだが、カテゴリ中当時最高クラスの性能を見たまんまの当たり判定で、超機動力で振り回しに来るのだから当然逃げ切れないし他の近接武器全てをお蔵行きにした。 ただ武器以外の性能は遠距離版と全く同じなので、ゲームシステム上遠距離版に全く対抗できなかったが、零神以外の遠距離武器には問題なかった。 そして遠距離タイプのアンチマテリアルライフルだがこれもご丁寧にカテゴリ中当時最高クラスの弾を、当時最長射程で、両手ライトガンの感覚で撃ってくるのだからそりゃ(略) しかも低いレアリティ程コスパが良い調整をされている&NNN編成がまだ強かった次代なので、倒してもたいして美味しくないとそりゃ(ry マスクステータスにマイナスがほぼなく、そのマイナスも被弾した際に出るジェムの量がかなり多いというもの。当たらなければどうということは無いができる零神にはあってないような調整で、当時は「零神に対抗できるのは零神のみ」とも大真面目に言われるほど。 さらに他の部位を内包してるシステム&武器カテゴリーなので、これ一つ強化すれば全部位強化されるというお財布にも優しい仕様(この仕様自体は現在も変わらずある)。 そんな実態なのでみんなこぞってプレイするが、これがまたイベント特有の超低ドロップ率かつ理論上レア度Nのアンチマテリアルライフル一択なので、当然入手できなかった大多数の人が零神に狩られる状況がしばらく続くことになり、持ってない→入手しに行く→零神に狩られる→低順位で報酬が少なく零神が手に入りにくいと負の連鎖。 「持って居なければ試合にすらならない」と大荒れ。 そんな中運営が「最強武装なので是非手に入れよう!」とtwitterで宣伝するもんだから軽い炎上騒動に。 それもあってか、まさかのイベント期間中に下方修正という自体に。火力面が大幅に下方されたので、せっかく手に入ってもただ速くて強化が楽なだけの武装と化してしまう。 さらにゲームのインフレや全体調整によるマスクステータスなどもあってより一層出番が無くなってしまい、過去の栄光も何処吹く風となってしまった。 ロケテストバージョン神姫カード 本稼動前に全国各地で開催されたロケテストにて「お迎え」する事が出来た神姫カード。 エーデルワイスを除く初期実装組の各レアリティが存在。枠のデザインはJAEPO限定プロモーションカードと同じで、イラストは現バージョンと微妙に異なる者がいる。 当然ながらこれも試作仕様のため、本稼動バージョンの筐体で使用する事は出来ない。 ちなみにお迎え1枚の時は無料だった。ぶっちゃけこの仕様で良かったんでね?という声も… わ [部分編集] 英 [部分編集] AUTO COMに操作を任せるモードのこと。公式では「俺と神姫で戦うボタン」の略とされているどこが略なんだか。 バトル中いつでも画面左下から切り替え可能。 COMは基本的にNPCと同じ判断基準で動くが、ターゲットの指定、及びジェム回収はこちらから指示が可能。 神姫の種別ごとに大まかなAIの傾向が設定されており、ある程度の調整も可能である(詳細は戦術・テクニックの「AUTOボタンを活用してみる」の項にて)。 BAN 英単語としては「禁止」を意味する単語 ゲーム的には垢BAN、つまりゲームアカウントの停止として使われる事が多い。 同KONAMIのボンバーガールにおいてはゲーム内にも通報機能があり定期的に迷惑行為を行うユーザーへの警告、もしくは利用停止処分が行われた事を告知している。 本作においてはそういった処置を行った事が告知された事はない…が現在サブモニターには表示されていないものの規約文が存在していた事はあり迷惑行為は禁止されている為いずれこういった処置が行われる事があるかもしれない。 EXUR 限定プロモーションカード=EXUR。 性能としてはURと同等。ただし武装は当初から設定・固定されており、変更出来ない。 JAEPO限定プロモーションカード 2020年2月、JAEPOで配布された限定プロモーションカード。 すべてURでアーンヴァルMk.2、ストラーフMk.2、隠し要素でシュメッターリングの合計2+1種類が存在。 当然ながら試作仕様のため、本稼動バージョンの筐体で使用する事は出来ない。 LP 神姫の「体力」のこと(Life Pointの略?)。 数 1V 個体値1個付きカードのこと。 2V 個体値2個付きカードのこと。 5V 個体値5個付きカードのこと。ちなみに3Vとか4Vというのはない。 6V 個体値5個付きカードに稀に現れる、武装Costが+10されたカードのこと。 5Vと6Vは、表だけ見るならまったく同じに見える。識別するには、カードの裏面を確認する必要がある。 15th武器 武装神姫15周年記念として頒布されたアーンヴァル及びストラーフ用装備の専用カラーバリエーション。 2021年9月7日10 00~同12月24日09 59限定配布武装。 期間がそこそこ長かった事や、同時期に開催されていたレイドボスバトル(第二回)においては対バグ特効を持っていたためもあって、使用するマスターはそこそこ多かった。 レイドボスバトル(第六回)では何故かストラーフ側は特効付与され、アーンヴァル側は逆に下方されている。 その後目立った話は出ていなかったが、レイドボスバトル(第十回)では久々に闇神姫と雑魚バグ各種が(エラーと言う体ではあるが)復刻され、ほぼ時を同じくして復刻されたこちらの武装が再び脚光を浴びている。 [部分編集] は行以前はこちら>用語集 (あ~な)
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/773.html
第六幕。上幕。 ・・・。 2035年12月31日。千葉峡国神姫研究所。 大晦日の夜も既に更け、除夜の鐘が遠く響こうとする時刻。既に所員たちのほとんどは帰途につき、その研究所も一年を終えようとしていた。 常夜灯以外の電源が落とされた研究所。しかしそんな沈黙が支配する中で、今尚、所長室には明かりが灯っていた。 小幡 紗枝は、彼女の体躯にしてみれば十分に大き目の事務机の前に座り、その目の前に置かれてあるクリアーカバーで蓋をしたケースに静かに視線を向けていた。 幾度と無く、それに手を触れ・・・しかしやがて離し、大きな溜息と共に椅子に深々と座りなおす。 こんな事を、彼女は一週間も続けていた。 その器の中には目を閉じて眠っているような一体の神姫。違う・・・眠っているのではない。そのCSCは二度と起動する事は無く、その瞳は二度と開かれる事は無いのだから・・・。 そう、『死んで』いるのだ。彼女は。 「ゼリス」 小幡は呼びかけると、その年齢相応の皺が刻まれた顔を両手で覆った。 「・・・」 エゴだろうか。 これまで数十体という神姫のボディを、『失敗作』という名目でCSCを埋め込まず、起動さえさせずに分解してきた自分が。 最早『死した』神姫を、かつての自分のパートナーであるという理由だけで・・・それを分解する事を躊躇うとは。生前の彼女がそれを願っていたというのに。いや、だからこそか。何故、彼女がそんな事を、こんなに辛い事を自分に託したのか。それが理解できないまま。 これほどに。自分は未熟であったのか? ゼリスが遺したZFというファイル。そこには、確かに彼女からのメッセージが込められていた。『自分のボディを分解してほしい』と。『娘たちに、それを受け継いで欲しい』と。 だが、果たしてそれを、簡単に受け入れる事が出来るだろうか? 貴女の『心』を、最後まで・・・私は見る事が出来なかったの? 目をやれば、変わらず。口元に静かな笑みさえ湛えて彼女は永眠についている。美しい翠の髪も。草色のスーツラインも何も変わらない。その合成樹脂によって作られた体を横たえ、昏々と眠り続けている。 この姿を、この姿を失えと? この姿を、私自身に壊せと? そう言うのですか? そんな事を託すなんて。 いや、かつて、我武者羅に研究に打ち込んでいた自分ならば可能だろう。だけど。今、ここにいるのは。 (貴女のパートナーなのですよ?) 幾度目かの溜息。出来ようか。そのようなことが。 そもそもは、探していたのだ。 彼女たち、神姫という人工の存在が。それでも時折見せる『心』の場所。CSCと呼ばれる多大なブラックボックスを内包した超集積プログラミングシステム。それは、口調や性格のパターンを複雑化し、限界まで叩き込んだ人工AIの一種。 組み合わせさえ選べば、性格、精神年齢さえ自在に変える事が出来る、その技術の結晶たるCSC。だが、時として人が作り上げたプログラムが介入できないレベルにまで神姫は・・・この世に現れてからずっと、明らかな不確定要素的な因子を示していた。 それを、小幡はあえて『心』と呼び、解明を行おうとしていた。 やがて。 言語、通訳。朗読や踊り、歌など。『芸術・文化的要素』を強化した神姫シリーズが発足するにあたり、その一つのタイプ・・・通訳等での活躍が期待される言語・発声能力特化型神姫のプロトタイプを峡国研究所が製作し、小幡自身がそのテスターとして『彼女』を受け取る流れになった。 それまで個人では神姫を迎えた事の無かった小幡にとっての、言うなれば、長く『彼女達』と付き合ってきたにも関わらず、『初めての神姫』。 ようやく完成したタイプナンバーはCRZR-C003。プロトタイプ・・・MMSネームを『クラリネット』と名付けられ、小幡の手に渡った。 心の究明の手伝いにもなるだろうと、軽い気持ちでそれを引き受けると。彼女はCSCを生まれて初めて、自分の手でボディにセットした。 そして。その銀の眼を、ゆっくりと開けた神姫が最初に行った行動は。 CSCに基本として導入されているはずのマスター初期確認でもなく、ネーミングのセッティングでもなく。また、自身のコードナンバーを読み上げる事でもなく。 微笑みを・・・優しく浮かべる事だった。 『はじめまして、マスター』 美しい声でそう言って。 小幡の中で、それまで積み上げてきた全てが崩壊していくと同時に。何かが大量に流れ込んできて。意味も解らず、突如としてぽろぽろと涙を流しはじめた彼女を、慌てて『ゼリス』は宥めていた。 (・・・それまで。私は常に無機質な世界を見つめていた) 数式とデータによって支配され、怒濤の様に流れていく歴史に取り残されまいと。虚ろな瞳で急くように走り抜けていた。 それがこの世界の法であると信じて。 だが、彼女と出会い。彼女と暮らす事で。時間という風が緩やかになっていく。 相も変わらず忙しい日々。神姫のパーツ開発、また、武装神姫プロジェクトの発足によるテスト武装の試験。 それでも。その風は緩やかに吹いていた。 『風に、憧れます』 そう言った彼女に、風になりたいのかと聞いた事がある。 『いいえ? 風になりたいのではなく。風に憧れるのです』 謎々のような事を言って。ゼリスは笑った。 少し不思議な感覚を有している彼女は、しかし研究所の皆からも愛されていた。 やがて。 第一期武装神姫の武装テスト中、彼女のCSCリンクシステムに異変が発見された。 記憶の消失。どうしようもない欠陥の発覚。 泣きながらも真実を伝える私に。彼女は微笑みかけたのだ。 『・・・とても、とても嬉しいです』 何故? どうしてかと問う私に。 『だって。これだけの想いを、私は受けているのでしょう?』 そう言って、ようやく彼女は静かに泣いた。 想いを『受けている』? 私は、その感覚を理解する事は出来ず、戸惑いと悲しみに打ちひしがれるだけだった。 ・・・。 ふと、涙の温かさを感じ。小幡は顔を上げた。 涙。 そうだ。いつから、私は涙を流せるようになったのだろうか? ただ、灰色で。無機質な日々でしかなかった。彼女に会うまでの、それまでの生きてきた長い日々。 その世界を。風が吹きぬけるように・・・色取り取りの美しい世界にしてくれたのは。他ならぬゼリスだった。 ほんの少しの、ちょっとした事で心が揺れる事を知り、喜ぶ事を覚えたのも。 海を眺め、空を見上げ、移り変わる世界に思いを馳せながら、夢を描く事を知ったのも。 頬を濡らす涙を流す事を教えてくれたのも。 全ては・・・彼女と共に、歩み始めてからではなかったか。 『・・・マスターは』 ふっと、思い出したようにゼリスは銀色の瞳で私を見つめた。 『とても人らしいヒト、ですね』 いつものように謎々のような事を言う彼女。 私は最初から人ですよ? と困ったように問い返した私に。 『えぇ、けど。最近とってもヒトらしいなって、思うんです』 そう言って、イタズラっぽく。彼女は笑った。 「そうですね・・・」 ゼリスと出会い。 「私の方・・・だったのですよね」 『神姫』である彼女に照らされるように、それまで何事にも急き走り続ける事しか出来なかった私が。 「貴女と出会う事で」 ・・・共に生きる事で。 「心と、心が触れ合う事を知りました・・・」 涙がケースに滴り落ちる。 「『心』を生む事が出来たのは、私の方でした」 人である私が。神姫であるゼリスから。 人としての心を貰って。 『人になれた』のだ。 ・・・。 小幡はコンピュータのモニタートップの『ZF』と名付けられたファイルを見つめていた。 ゼリスの言葉。ゼリスの声。ゼリスの姿。全て、そこには宿っている。 そして。遺志さえも。このちっぽけなプログラムの中に。 小さくても。そこには確かに翠色の風が、宿っている。 ・・・。 「翠?」 ふっと。 小幡は、目の前で眠り続けるゼリスの髪に目をやった。美しい髪色は、全く変わることなく艶やかに流れ、その肌は今も生前の美しさを保っている。 「・・・」 瞳が揺れた。 彼女は、ようやく。 その、長きに渡る研究と。自分が抱いてきた謎の解を知った。 (『違う』) 人ならば既に、色も何もかも変わっているだろう。 その身は荼毘に伏され、美しい姿を残す事も無く、今は写真を眺めるくらいしか出来ないだろう。 彼女達は人ではない。神姫だ。それは解っていた。それは理解していた。 だが、いつから? いつから勘違いをしていたのか? その体は人工の物。作り出された美しい樹脂の結晶。 そして・・・その『心』もまた、『人間に似せられて人工的に作られている』と。そう信じてしまっていた。それは間違ってはいない。CSC、ヘッドコア、ボディユニット。 全ては人が生み出し、人が作り上げた存在である。 だが・・・だが、それでも? それでも、彼女たちの心を人が作ったと言えるのか!? 「違う・・・」 今度は口をついて出た、その言葉。 神姫は。 『神姫の心を有している』。 『心』を解明しようと。その心が生まれる瞬間を知ろうと。彼女を迎えた時には。 『神姫の心』を、『ヒトの心のミニチュア』としか考えず。彼女はいつしか・・・ただ、その既に出ていると思った結論を受け入れようとして、それをただ科学的に証明しようとしていただけだったのだ。 人の心を元に。神姫の心があると信じていた。 「そうではない・・・そうですね?」 答えぬパートナーに、小さく笑いかける。何と愚かなマスターだろう。そのような事は、貴女がずっと。ずっと伝えてくれていたのに。 『神姫には。神姫としての。ツクリモノではない。確かな心がある』。 小幡は後悔の涙を流した。 「許してください・・・ゼリス」 私はずっと、『人の心』の尺で全く違う存在を計ろうとしていたのだ。どれほど、心の解釈を彼女に押し付けただろう。 「貴女は・・・全てを知っていたのでしょうね」 ゼリスは、それらを神姫の心で受け止め、そして。それこそ命尽きるまで答えてくれていたのだ。 だとすれば。 「・・・」 彼女の遺志。それもまた・・・人の心では計れぬ行為なのか? 「貴女は・・・『神姫』として、何をしようとしているのですか?」 問いかけ、その心に想いを馳せる・・・。 その遺志は、彼女の・・・『自分を残す事』。 小幡の動きが止まった。浮かべていた哀しい笑みが震えるように崩れ、目が見開き、驚愕の面持ちに変わっていく。 「まさか・・・」 それは。神姫である彼女であればこその。 『継承的行為』。 「あ・・・あぁっ・・・?」 小幡はケースを、震える、その少し節くれだった手で抱き上げた。少し揺れ、中のボディがカタリと壁にぶつかった。 「・・・貴女は・・・!」 眠り続けるパートナーは静かな微笑を湛えている。 人は死して名を残すという。子を残し、身体は自然に帰し、いつしか大地に戻る事が出来る。 ・・・神姫は。作られた体の神姫は。その身体を残す事しか出来ない。その美しい、姿だけは残さんとする。 愛してくれた主の為に、大切にしてくれたマスターの為に。彼女達はたくさんの思い出が詰まった身体を残すだろう。 「・・・そう」 『身体しか残せない』のだ。 彼女達はそれ以外に、それこそ何も抱かずに生まれてくるのだから。母も父も、子も無く。ただ、生まれてくるのだ。 自分が自分であったという証拠。それさえも。貴女は。後の神姫に、渡してくれと。 『そんなに驚いた顔をしないでください。ずっと前から決めていました』 ・・・。 その決断を下して。どれほどの恐怖と戦いましたか? 死した後、自分の身体が切り刻まれる事への恐ろしさは、人の比ではなかったでしょう。 どれほどの哀しみを抱きましたか? 自分が『いなくなる』という事を思い、その小さな身体で、絶たれる未来に・・・どれほどの哀しみを宿したのですか。 どれほどの涙を・・・私達に見せないように流したのですか? それは神姫にとって、『全てを失う』に等しい行為なのに。ただ。『母』として。姿も知らぬ『娘達』に心を込めた身体を贈る事を。 『身体を失っても。マスターや皆さんと一緒に、『心』があります』 ・・・。 小幡は、止め処なく零れ落ちる涙の中。確かにその声を聞いた。 信じていたのだ。科学的に何も実証されず。人間でさえ信じようとする者が少ない、その、掛け替えの無い物。 『心』。 それは。彼女が。 恐らくは世界で始めて、自らの意思で『死す事を選んだ』神姫である彼女が。 誰よりも優しく、妹たちを、娘たちを見つめていた彼女が。 子を為す事も出来ず、自身の未来さえ絶たれた一体の神姫が。辿り着き、望んだ、最後の結論。 彼女に許された唯一の・・・『未来を紡ぐ方法』だったのだ。 ゆっくりと小幡はケースを手に立ち上がった。 「ありがとう・・・」 貴女を作ったのは私。 私の心を生んでくれたのは・・・貴女でした。 返さなくてはならない。この恩を。 私を人にしてくれた貴女へ・・・身を裂かれる様な思いに貫かれても。『人の心』が、苦しいと悲鳴を上げても。 貴女への恩に報いましょう。 未来を、紡ぎましょう。 なおも重い足を、それでも作業場に向ける。 少し疲れたような微笑を浮かべ、ケースを開けて。翠の髪を指先で軽く梳かす。 「受け継ぎましょう・・・」 貴女の、遺志を。 『人としての心』を持つ私が。貴女の『神姫としての心』を・・・受け継ぎます。 母として。友として。 そして・・・『娘』として。 ・・・。 夜が白々と明け始める頃。作業は終了した。銀色の小さなケースを載せた台車を押して、小幡は酷い表情で再び所長室に戻ってきた。 長く息をつき首を振る。想像通り、それは凄まじい精神的苦痛を伴った。心が砕かれるような思いの中。それでも彼女は・・・全てをやり遂げた。 CSCの神経リンクとの硬着。今の規格とは違いすぎる・・・完全な旧式化で使えないパーツ。最早、ほとんどの部分が利用できないと覚悟していたが。それでも少しながら、利用可能な部位を取り外す事が出来た。 銀色の、小さなケースを机に並べていく。 数は僅かに5つだけ。 どんな神姫がこれを受け継ぐのだろう? そんな事を思い、ふっと、小幡は苦笑する。 こんな旧式のパーツ、きっと『いらない』と笑われるだろう。普通に考えれば。 だから、これを受け継ごうとする、受け継ぐ神姫は・・・貴女に似て、少し、変わっているのでしょうね? ゼリス。 まだ姿さえ知らぬ・・・彼女たち、『ゼリスの娘たち』は。 一つ目のケースには『喉』。 それはクラリネットタイプの特徴の一つ。声帯を内包した部位。様々な言語を使いこなす・・・透き通るようなあの、声量豊かな声。 この喉を受け継ぐ神姫は・・・その美しい声を響かせ、それに乗せて『心を伝える』事になるだろう。 二つ目のケースには『脚』が一対。 少し古い感じのするデザイン。ゼリスのスーツカラーがそのまま残る場所だ。堅めの足裏でカタコトと、小気味良い足音が今はもう懐かしい。 この脚を受け継ぐ神姫は。どれほどの困難があろうとも。強い意志で『心と共に歩む』だろう。 三つ目のケースには『手』・・・。 高質樹脂ではない。少し表面がざらついているのが特徴の合成樹脂。どことなく、彼女らしい素朴な感じのする小さな手。 受け継ぐ神姫は、全てを優しく抱きしめて来た手で、『心を包む込む』事だろう。 四つ目のケースには『眼』が入っている。 光を宿す銀色の瞳・・・相手の目を見つめて話す事を心がけていた、彼女の柔らかな、表情豊かな視線を宿した部位。 受け継ぐ神姫は、目を逸らしたくなる過去さえも乗り越え・・・真っ直ぐに『心を見つめる』神姫だろう。 そして・・・。 最後の一つのケースを机に置く。それだけは少し小さ目なケース。そして他の物よりも、遥かに丁重に扱われるように、多重のケースに入れられている。 (・・・。・・・) 何故、この部位が全く損傷無く取り外せたのか。CSCが活動を停止した今。それが取り外せたのは奇跡に近い。 小幡は明るくなりつつある空に目をやり、窓を開けた。 風が吹き込む。 貴女は私の娘。 そして、私は貴女の娘・・・。 上りつつある陽に目を細めながら、小幡はゆっくりと言葉を紡ぐ。 「全ての妹たち・・・」 陽光は輝き、闇の空を開けていく。 「・・・全ての娘たちよ」 肩に、確かに彼女を感じる。いつものように穏やかな表情で、その美しい声を響かせて。 冷たい風が髪を遊び、カーテンを軽く吹き上げる。 翠の髪、銀の瞳。パールと草色のスーツを身に纏った、美しい神姫がいた。 プロトタイプ=クラリネット。名をゼリスという。 流れ往く時間の中で。彼女の名はいつしか忘れられ、歴史に埋もれていくだろう。 (消えはしない) 彼女は言ったのだ。『心』がありますと。 世界で始めて、母となる事を選択した神姫。 (消せはしない・・・) 声が重なっていく。 「貴女たちを、愛しています。これまでも、ずっと。これからも・・・」 自分の声と、他ならぬ、優しい『母』の声。 「そして・・・」 重なり、やがて。 あの、懐かしい声が響いた。 『想いと共に。未来を紡ぎなさい』 西暦2036年。1月1日元旦。 全てが忙しなく流れ往き、歴史の波濤が全てを覆い尽くす時代。 そんな中でも時として。 草色の風が舞い、緩やかな『想い』が彼女達の髪を梳き・・・流れる事があった。 第六幕。下幕。 第六間幕